第九世代Intel Coreプロセッサ使ってPCを組むとき、マザーボードでまず候補になるのはZ390を搭載したものだろう。8コアのCore i9やCore i7などを安定して動作させ、さらにはそれらのオーバークロックにも対応するため、Z370世代よりも電源周りを強化したものが数多くラインナップされている。
しかし、第九世代CoreプロセッサはCore i9やCore i7だけではなくCore i5 9400F、Core i3 9100Fなどのコストパフォーマンスに優れたモデルもある。Core i7といっても9700Fのようなオーバークロックができないモデルもあるし、オーバークロックが可能なK付きモデルでも定格で使うというユーザーは少なからずいるだろう。
オーバークロックはしないし機能もそこそこでいいから安く抑えたい。そんなユーザーの要望に応えてくれるのが今回紹介する「Intel B365」PCHを搭載した低価格なマザーボードたちだ。

B365はこんな人におすすめ!

  • オーバークロックをしない(あるいはKなしモデルのCPUを使用する)
  • NVIDIA NVLink/SLIをしない
  • M.2 SSDを3つ搭載したり…など、そこまでの拡張性を求めない

この他にもいくつか制約はあるが、主にこのあたりを妥協できるのであればよい選択肢になるだろう。ただし、下位モデルはやはり電源周りが削られていることが多いため、Core i9 9900KやCore i7 9700K、Core i7 9700Fなどを使用する場合は注意が必要だ。

ATXのおすすめB365マザーボード

ASUS ROG STRIX B365-F GAMING

ASUSのゲーミングブランド「ROG(Republic Of Gamers)」のB365 ATXマザーボード。

電源回路はB365マザーボードとしてはMSI製に次いで優れており、大型ヒートシンクを搭載しているため空冷クーラーを使用した環境であればCore i7 9700Kなどの高性能なCPUでも安定して動作するように設計されている。
SATAは使いやすい1段設計で合計6ポートあるほか、SSD用のM.2×2に加えてWi-Fiモジュール用のM.2もあり拡張性はかなり高い。
M.2にヒートシンクがついている点やPCIe×16スロットが金属シールドで保護された「SafeSlot」になっている点、そしてI/Oパネルが一体型になっている点も高評価だ。

その他、Intel GbE LAN、高品質オーディオRealtek ALC1220などを搭載している。

https://kakaku.com/item/K0001163680/
https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-STRIX-B365-F-GAMING/

ASRock B365 Phantom Gaming 4

ASRockのゲーミングブランド「Phantom Gaming」のB365 ATXマザーボード。
赤と黒と銀で統一されたデザインや変形基板が美しい。

このマザーボードは「プレミアム50Aパワーチョーク」や「FPCAP 12Kコンデンサ」などお馴染みの高耐久・高性能な装備をしておりコストパフォーマンスに優れている。
2本のSSD向けM.2スロットにはその両方に放熱用のヒートシンクが付属しているほかWi-Fiモジュール用のM.2スロットもある。ただし、電源回路はあまりパワフルでないため、Core i9 9900KなどのCPUでは性能を出しきれないので注意が必要だ。

https://kakaku.com/item/K0001122470/
https://www.asrock.com/MB/Intel/B365%20Phantom%20Gaming%204/index.asp#Overview

MicroATXのおすすめB365マザーボード

ASRock B365M Phantom Gaming 4

こちらは先ほど紹介した「ASRock B365 Phantom Gaming 4」のMicroATX版だ。

M.2やSATA、電源回路、オーディオ回路、コンデンサなどはATXモデルと変わらない。M.2ヒートシンクはCPU直結スロット用の1本のみに装備されており下のM.2のヒートシンクは省かれているが、それでも十分だろう。
ATXモデルと同じく、扱いやすくコストパフォーマンスの高いマザーボードに仕上がっている。

https://kakaku.com/item/K0001122471/
https://www.asrock.com/mb/Intel/B365M%20Phantom%20Gaming%204/index.jp.asp

GIGABYTE B365M DS3H

このマザーボードは2019年6月に発売された、他より新しめのマザーボードだ。
今まで紹介してきたものよりもだいぶ質素になっており、VRMヒートシンクもなければPCIe×16の金属シールドもない。
だが、驚くべきはその価格だ。このマザーボードは実売8900と、なんとB365チップセットの中ではトップクラスの安さなのだ。しかもメモリスロットは4本、SATA×6にM.2付きと価格に反した拡張性だ。
そしてさらに、そのM.2はPCIeだけでなくSATAもサポートしていたりDualBIOSを搭載しているのは嬉しい。

低価格で購入でき、拡張性もそこそこ。Core i5 9400FやCore i3 9100Fなどのコスパの良いCPUで組みたい人にはおすすめできるマザーボードだ。

https://kakaku.com/item/K0001164843/
https://www.gigabyte.com/jp/Motherboard/B365M-DS3H-rev-10#kf

Mini-ITXのおすすめB365マザーボード

ASRock B365M-ITX/ac

この「B365M-ITX/ac」はB365唯一のMini-ITXマザーボードだ。

映像出力端子にHDMI 1.4、DisplayPort 1.2、DVI-Dをもち、合計3画面(4K60Hzは1画面)出力が可能。
ただし、背面USBが4ポートしかないほか、1本のみのM.2はCPU直結のためSATA SSDが使えない点は注意が必要だ。

https://kakaku.com/item/K0001122473/
https://www.asrock.com/MB/Intel/B365M-ITXac/index.jp.asp

まとめ

B365チップセット搭載マザーボードは当初ASRock製のみだったが、ASUSとGIGABYTEが製品を投入したことにより、一気にバリエーションが増えた。第九世代Intel Coreプロセッサにネイティブに対応したマザーボードを使用して低価格で組みたいという人にとっては嬉しいことだ。
これからIntel CPUで一台組む予定の人はぜひB365マザーボードも視野に入れて選んでほしい。