ドイツのPCパーツ小売店であるMindfactoryが、7月に売れたCPUを公表した。

Mindfactoryは売上げ2億5千万ユーロを超えるショップで、規模としてはPCショップ「ドスパラ」を運営する株式会社サードウェーブや「パソコン工房」を運営する株式会社ユニットコムと同じくらいだ。

Mindfactoryの資料によると、同ショップでのAMD製CPUの販売台数は79%に達した。内訳を見ると、同月に発売された第3世代 AMD Ryzenプロセッサが非常に人気であることがわかる。特に売れているのは「Ryzen 7 3700X」と「Ryzen 5 3600」だ。

また、昨年発売の「Zen+」コアを採用した製品であるが「Ryzen 5 2600(6コア12スレッド)」も人気となっている。こちらは第3世代 Ryzenが発売された影響で世界規模で価格の下落が進んでおり、また同価格帯に「Zen2」コアを採用したCPUが存在しないことから、コストを抑えたいユーザーに人気なようである。

一方Intelは、販売シェアを大幅に落としているものの販売台数自体は過去3ヶ月と大きく変わらず、引き続き「K」のサフィックスがついたモデルが人気なようだ。

CPU販売シェア・台数共に大きく伸ばしたAMDだが、売り上げ(単位:ユーロ)はさらに大きく伸びている。これは、今月に入って高価な「Ryzen 9 3900X」や「Ryzen 7 3700X」などが発売され、またそれらの売れ行きが好調だったことが要因である。

Intelは販売台数と人気機種に大きな変化がなかったため、売り上げも変化がみられない。これは当然といったところか。

世代やシリーズごとのシェアでは、AMDは新しく発売された第三世代「Mattise」と旧世代の「Pinnacle Ridge」が人気だ。また、旧世代APUである「Raven Ridge」も10%以上のシェアをもつ。

一方で第三世代 Ryzenと同時発売された第二世代 Ryzen APU「Picasso」は苦戦を強いられている。Ryzen APUを求める層はコストパフォーマンス重視のユーザーが多く、安くなった第一世代 Ryzen APU「Raven Ridge」を選ぶユーザーが多いことが要因とみられる。

Intelは第9世代 Coreプロセッサ「Coffee Lake-Refresh」がほとんどを占めており、売り上げのほうではそれがさらに顕著になっている。人気機種が比較的高額な「Core i9 9900K」や「Core i7 9700K」、「Core i5 9600K」であることが要因だ。このうち「Core i9 9900K」と「Core i7 9700K」ゲームにおいて競合より高いパフォーマンスを発揮するため、第三世代 AMD Ryzenが発売された今も一部のゲーマーからは根強い人気があるようだ。

Intel、AMDの合計ではAMDの「Matisse」が40%を占めており、半数近くが新発売のプロセッサを購入していることがわかる。次いでAMDの「Pinnacle Ridge」やIntelの「Coffee Lake-Refresh」が人気だ。

合計の売り上げはAMDの「Mattise」が過半数を占めている。2・3番手のIntelの「Coffee Lake-Refresh」とAMDの「Pinnacle Ridge」はともに20%弱の売り上げとなっている。

今後もIntelとAMDの競争に期待しよう。