金属製の高級マウスパッドを製作しているNINJA RATMATから新しく金属製のメタルマウスソールが発売される予定だ。今回は4Chunksで試作のメタルマウスソールをいただくことができたのでレビュー、検証していく。

NINJA RATMATとは

神奈川県伊勢原市にある株式会社 竹内型材研究所が製作するeSports向けメタルマウスパッドブランドである。金属ながらマウスが非常に滑らかに滑走し、耐久性が高い。現在臨、兵、闘、者の4種類のメタルマウスパッドが販売されており高価ながら非常に出来の良い製品である。

NINJA RATMAT メタルマウスソール とは

メタルマウスパッドで培った技術をマウスソールに使用し、金属製のマウスソールを作り上げた。素材は鋼で布製マウスパッドでの使用を目的とし、滑り性能とブレーキ性能を追求した前例のないマウスソールとなっている。非常に硬く他とは違った性能を期待できる。

開封

左上には試作品との記載がある。プラスチック製のケースにマウスソールが収められている。

マウスソールは中に突き刺さるように入れられている。1枚1枚は非常に薄く、滑るため取り出しにくい。

ケースから取り出し、マウスパッド上に置いた。形状としては四角錐になっており、中央部が膨らんでいる。サイズは7mm x 7mm x 0.7mmで非常に小さい。試作品では0.7mm厚だが、製品化される場合は0.5mm、0.7mm、0.9mmの3モデルを出すほか、オーダーメイドで厚さを注文できるというシステムも考えているとのことだ。

このNINJA RATMATメタルマウスソールは微細な溝があるため、マウス底面に貼る角度によって特性が変化する。写真左のようにマウスに対して並行/垂直に貼ると滑り重視のスピードタイプ、写真右のようにマウスに対して45°の角度をつけて貼ると止め重視のブレーキタイプとなる。2種類の貼り方を混在させると滑りと止めのバランスを考えたバランスタイプとなる。

取り付け

今回はLogicool G Pro WirelessにNINJA RATMATメタルマウスソールを取り付ける。

G Pro Wirelessのマウスソール形状は独特であり、そのまま貼ることはできなかった。専用マウスソールを張り付ける際のガイドが邪魔をしてしまい、加工なしではバランスタイプのみでの使用が可能だ。

筆者はスピードタイプでNINJA RATMATメタルマウスソールを使用したかったのでG Pro Wirelessの底面を研磨し、平面を作って貼り付けた。これによって底面がマウスパッドに当たることなく快適に使用することができるようになった。

使用感

それでは使用感についてレビューしていく。今回使用したマウスパッドはCorsair のMM356だ。G Pro Wirelessにスピードタイプで張り付けたNINJA RATMATメタルマウスソールだが、第一印象としては金属のような硬さを感じずによく滑ると感じた。フッ素樹脂のマウスソールを使用しているときのように非常に滑らかにマウスが滑走する。それだけであれば他のPTFEマウスソールと変わらないが、このNINJA RATMATメタルマウスソールの大きな違いはどんな状況でもきちんと滑ってくれるというところだ。FPSゲームをしているとき、ADS時に右クリックをホールドする人は感じたことがあると思うがマウスを握る手が力んでしまってマウスの滑りが悪くなってしまうということがある。

このNINJA RATMATメタルマウスソールは鋼製なのでマウスソール自身のたわみがなく、形状が四角錐なのでマウスパッド側のたわみの影響も受けづらい。ただ滑るだけのマウスソールは多く売られているが、どのような状況下でも滑りを確保できるマウスソールはなかなか見つけることはできない。

また、ソール自身も一枚当たり0.2gと非常に軽量なのでマウスソールを交換することで重たくなる可能性は低く、G Pro Wirelessにおいてはソールの交換によってマウス重量がさらに軽くなった。

以上のことよりNINJA RATMATメタルマウスソールはローセンシ~ミドルセンシユーザーにお勧めできるマウスソールだと感じた。ハイセンシユーザーはブレーキタイプで使用すると滑りと止め性能のバランスが良くなるであろう。

センサー精度について

左がデフォルトのソールを使用したG Pro Wirelessのマウスセンサー精度、右がNINJA RATMATメタルマウスソールを使用した場合のマウス精度である。厚さが0.7mm(両面テープ0.05mmを除く)であるため、マウスのリフトオブディスタンス(LoD)の影響を受けることはない。

総評~どんな人におすすめか~

このNINJA RATMATメタルマウスソールは工作精度が非常に高く、多くのユーザーにとって満足のいく製品になるだろう。スピードタイプ、ブレーキタイプと滑りを調節することが可能なので自分の好みにあわせて使用することができるということもポイントが高い。筆者個人としてはスピードタイプでの使用がお勧めだ。止め性能を多少犠牲にしてもマウスの動きを早くすることによって視点移動を早くして素早く照準を合わせられるように使用すると良いのではないだろうかと感じた。細かい動きは多少難しくなるが止めはこの滑りに慣れれば次第にできるようになると感じた。筆者自身は1週間ほど使用してNINJA RATMATメタルマウスソールの性能に慣れ、今では最初からついているデフォルトソールの頃よりもFPSゲームの戦績が上がっている。マウスソールを交換しただけでゲームが上手になるとは思いもよらなかったが、ある程度技術が成熟した人であればこのソールに変えるだけで成績が良くなるだろう。デバイスも実力のうちと感じることもあったが、このメタルソールは特にその傾向を強く感じさせる製品であった。