試用提供:ASUS JAPAN

ASUSからRyzen7 3750Hを搭載した(Ryzen5 3550Hを搭載したモデルもあり)ベアボーンMiniPC PB50が2020年7月下旬より発売される。非常にコンパクトながら4コア8スレッド/Radeon Vega10のAPUを採用しており、スペック上は軽いゲームなども動かせそうだ。今回は発売前にASUS JAPANよりPB50をお借りすることができたのでレビューする。

スペック

CPURyzen5 3550H 2.1GHz
Ryzen7 3750H 2.3GHz
GPURadeon RX Vega8/Radeon RX Vega 10
RAM2 x SO-DIMM DDR4 2400MHz(2GB-32GB)
LAN1Gbps
Wi-Fi802.11 a/b/g/n/ac
BluetoothVer 4.2
I/Oポート(フロント)1 x USB3.1 Gen2 Type-C/4 x USB3.1 Gen1/Mic/Headset
I/Oポート(リア)2 x USB3.1 Gen2/1 x DisplayPort1.4/1 x HDMI2.0/1 x D-Sub/1 x RJ45 LAN/1 x Kensington Lock/DC in
電源容量90W
サイズ175 x 175 x 34.2 mm
重量1.18kg
対応メモリDDR4-2400MHz 8GB~32GB
対応ストレージM.2 2280 (PCIe 3.0 x 4)
SATA 6Gb/s 2.5 inch

開封

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箱はゲーミングPCなどと違い非常におとなしいデザインだ。ビジネス用途での使用を想定しているのだろう。

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箱を開けると左側に本体が収められている。右側には付属品が入っている。

ACアダプタは90Wのものを使用している。一般的なノートPCが45~60WのACアダプタを使用していることからPB50の消費電力はやや高めといっても良いだろう。ただしASRockから発売されているDeskminiは110WのACアダプタを使用するのでMiniPCとしての消費電力量としてはまずまずなのではないだろうか。

ケーブルの端子は俗にいうミッキーマウスタイプだ。

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ドライバディスクも付属はしているがDVDドライブ等は搭載していないため自分で外付けドライブを用意する必要がある。

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PB50はモニターの固定などに使用されるVESAマウントに取り付けるためのマウンターも付属している。

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スタンドも付属しているため様々な設置方法が取れる。

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ゴム足は本体にすでに取り付けられているわけではない。ねじ式となっており横置きするのであれば付けることが推奨されるだろう。

SATA接続のSSD/HDDも搭載することが可能だ。マザーボードと接続する端子はフラットケーブルになっており耐久性にはあまり期待できないため丁寧な扱いが要求される。

説明書類は3部に分かれている。

さて、本体を見てみよう。本体サイズは175 x 175 x 34.2mmと非常に小さく薄い。

底面にはゴム足が付いており滑り止め、底上げをしている。

フロントにはUSB3.1 Gen2 Type-Cポートが1つ、USB3.1 Gen1 Type-Aポートが4つとUSBポートの数は十分過ぎるだろう。マイク端子とイヤホン端子は別になっているため、4極端子を使用する際は別途変換ケーブルが必要だ。オーディオ端子の隣には電源ケーブル、CPUを冷やすための吸気口が備わっている。右上のUSB Type-Aポートは急速充電にも対応している。

背面は左からWi-Fiアンテナ取り付け用のコネクタ、DC-in、DisplayPort1.4、HDMI2.0、USB3.1 Gen2 が2つ、D-Sub、LANポート、ケンジントンロックが備わっている。オフィスなどで使用する際にはケンジントンロックのおかげで安心感がある。Wi-Fiアンテナの隣は排気口だ。

空気の流れは写真の矢印のようになっている。

内部構造

さて、カバーを開けて内部を見る。

上部にはCPUを冷やすためのシロッコファンが見える。左の黒い部分にはヒートシンクが入っている。下部は2.5インチベイが1つ備わっており2.5インチSSD/HDDを搭載することが可能だ。

Wi-Fi(Bluetooth)モジュールはCPUファンの影に隠れている。AzureWaveのAW-CB295NFを搭載している。チップはRealtek製だ。

電源スイッチは別基板となっている。メインボードとの接続には非常に細いケーブルを使用しているため断線させないように注意が必要だ。必要がない限りは触らないことを推奨する。

CPUファンのコネクタを外し、上に持ち上げた。コネクタは非常に硬い(サンプル)ので抜く際にはケーブルを引っ張らずコネクタをきちんと摘んで取り外す必要がある。

シロッコファンの下にはSO-DIMMスロットが2基用意されている。公式情報では最大32GBまで搭載可能となっている。

残りのネジを緩め、CPUに付いているヒートシンクを取り外した。

CPUはAMD Ryzen7 3750Hを搭載しており、VRMフェーズ数は3+1フェーズだ。Ryzen7 3750HのTDPは35Wのためそこまでの電力消費はしないだろう。mosfetは1フェーズあたりハイサイド2つ、ローサイド2つの構成でハイサイド側にはOn Semiconductor製4C10B、ローサイドにはOn Semiconductor製4C06Bを搭載しており、フェーズ数こそは少ないもののASUS TUF B450-PRO GAMINGと同じ構成だ。RDS(on)値が低く発熱も抑えられている。排熱が問題視されるMiniPCでは非常に良いコンポーネントだろう。

M.2スロットは一般的なマザーボードで使用しているものよりも薄型のものを採用している。もちろんサイズは2280に対応しているのでM.2SSDももちろん使用可能だ。

マザーボード上のSATAコネクタは非常に小さい。フラットケーブルをこの位置に刺すと2.5インチディスクを取り外す際に引っ張ってしまう恐れがあるので注意が必要だ。

組み込み

それではメモリ、ストレージを取り付け、起動できる状態にする。

今回使用するメモリはHyperX Impact DDR4 SODIMM 2933MHz 8GB x 2枚だ。メモリメーカー老舗のKingstonのゲーミングブランドであるHyperXから発売されているノートPC向けメモリであり性能は非常に高い。

一般的なSO-DIMM規格のメモリである。性能は16GB 2933MHz CL17だ。

SSDはNVMe SSD Kingston A2000 1TBを使用する。コストパフォーマンスに非常に優れたNVMe SSDで発熱も少ないため今回のようなMiniPCにはベストな選択だろう。
Kingston A2000のレビューはこちらから

M.2スロットは非常に薄型だが、普段触れているようなM.2スロットと変わらずにSSDを取り付けられる。

メモリ、SSDを取り付けた。PB50は2.5インチベイも用意されているので別途2.5インチHDDを用意すれば相当のストレージを持ったMiniPCを組むことも可能だ。

背面にはWi-Fi/Bluetooth用のアンテナを取り付けられる。

起動&性能検証

それではWindows10 Homeをインストールし、性能を検証する。

フロントのUSBポートにはUSB3.1 Gen1を採用しているためUSB3.0対応のインストールディスクによって素早くOSをインストールすることができる。

背面にはLANケーブル、Displayportケーブルを接続し、モニターには144Hz出力をしている。

ベンチマーク

Cinebench R15で測定した。結果は742cbとまずまずだ。4コア8スレッドのRyzen5 1500xが806cbであるため、ノートPC用のAPUでよくここまで奮闘している。

シングル計測も144cbと性能不足といった印象は全く受けない。

Cinebench R15を5回連続で動作させ、温度を調べた。Core Temp読みで最大温度は96℃となりベンチマークスコアは下がった。温度上昇によるサーマルスロットリングはMiniPCなので起こしやすいのだろう。

3DMarkも動作させた。スコアは1139とCPUを考えれば決して悪い結果ではない。ただし2枚目のデータを見るとCPU温度は非常に高いのでベンチマークやエンコードなど高負荷長時間の動作は苦手な様子だ。

PCMARK10の動作ではCPUの排熱が間に合っておらず、CPUのクロックが下がってしまっていることが見て取れるだろう。高性能なRyzen7 3750Hを積んではいるが、MiniPCでは最大負荷で長時間の動作には向かないだろう。

ゲーム検証

Minecraft(Ver.1.15.2)

Minecraft1.15.2(ビデオ設定はすべてデフォルト)ではスポーン直後チャンクの読み込みが終わるとおよそ50FPS前後で動作した。バニラ版では動作に支障はないが重たい影Modなどを導入するのであれば設定を軽くする必要があるだろう。

Apex Legends

Apex Legendsでは設定を最低に下げても快適にプレイすることは難しかった。激しい動作をすると画面が荒れ、戦闘中のフレームレートが安定しないのでAimが定まらず戦闘には苦戦を強いられるだろう。

Valorant

一方でValorantは快適にプレイすることができた。1080pで60FPSを安定して出すことができたのでライトゲーマーであればPB50で動作に不満は感じないだろう。

PUBG LITE

PUBG LITEも動作には全く問題ない。PB50のスペックであれば推奨環境での動作も可能となるのでプレイに支障が出ることはないだろう。

総評

ASUS PB50はめずらしくノートPC用Ryzenを使用したMiniPCだ。Intel CPUを使用したMiniPCはよく見るが、Ryzen APUを使用したことでMiniPCながらグラフィック性能を格段に向上させ、軽量なゲームであれば快適に動作させることが可能となっている。ただしMiniPCは長時間高負荷状態を維持することはあまり得意ではないため、重量級のゲームを動かすのであればゲーミングノートPCをお勧めする。ビジネス用途やライトゲーマーかつ部屋や机に大きなPCを置くスペースがない人は非常に満足できるPCなのではないだろうか。また、ベアボーンPCなので「自作PCを始めたいが難しそう」と思っている人は最初の1台にどうだろうか。