骨伝導ヘッドホンメーカーとして非常に有名なAftershokzが新たにエントリモデルとしてOpenMoveをリリースした。今まではハイエンドモデルを中心にリリースしてきたAfterShokzだが音質を下げることなく価格を抑えたOpenMoveはどのようなヘッドホンなのだろうか。

開封

パッケージはAeropexなどと比べて簡素なものになっている。とはいえ安っぽさは一切ない。前面は透明なのでOpenMove本体が見える。

OpenMoveはフォーカルポイントが代理店として2年の保証がつけられている。

箱背面にはOpenMoveの特徴が様々な言語で記載してある。

テープで止めてあるカバーを開けると本体取り出せる。Aeropexのような複雑な箱とは違い非常にシンプルな作りだ。

本体を取り出すと付属品類が入った箱が現れる。

付属品

AfterShokzのヘッドホンを購入すると本体を入れるためのポーチが付属してくる。Aeropexはシリコン製のケースが付属してきたが今回のOpenMoveにはきんちゃく袋型のものが付属していた。

耳栓はOpenMoveにも付属してきた。骨伝導ヘッドホンのため環境音が大きい場所では音が聞こえにくくなってしまう。そのため電車内や飛行機内で使用する場合などでは耳栓を併用することで周りの音を遮断することができる。

充電ケーブルはUSB Type-Cに変更されていた。Aeropexではマグネット式の充電ケーブルが採用されていたがUSB Type-Cを採用したことで充電時に専用ケーブルを使用する必要がなくなった。ただしUSB Type-Cコネクタでは充電中に引っ掛けてしまった際に外れにくいのでマグネット式の充電コネクタよりも耐久性が落ちてしまっているのではないかと感じた。充電端子に関しては好みが分かれるだろう。

その他説明書類も付属していた。

本体外見

OpenMoveはプラスチック製の台に固定されている。

台からOpenMoveを取り出した。第一印象としてはAeropexよりも角ばったデザインだと感じた。耳の後ろの部分は大きく少し重たく感じるが重量は29gとAeropexの26gに対して3gしか変わらない。

右耳側には音量ボタン(電源ON/OFF機能付き)が設置されている。音楽を再生している際に同時長押しするとイコライザ切り替え、通話中に同時長押しすることでマイクのミュート切り替えが可能となっている。

充電端子も右側につけられておりカバーを開けるとUSB Type-Cポートが現れる。

Aeropexではマグネット式の充電端子が使用されていた。端子が露出していても防水であることから今回のUSB Type-Cへの変更は製造コストを下げることに寄与しているのではないだろうか。

左耳側に設置されているマルチファンクションボタンは本体ラインに沿った形になっている。基本的にはiPhoneに付属しているイヤホンの中央ボタンと同じ機能が割り当てられている。

AeropexをはじめとするAfterShokz製の骨伝導ヘッドホンは収納する際に振動ユニットをクロスさせて固定していたがこのOpenMoveでは振動ユニットにマグネットがついているためクロスさせずに自然な形で保管することができる。エントリーモデルで価格を抑えながらも最新作として進化している箇所である。

使用感

さて、OpenMoveの使用感、音質はどのようなものなのだろうか。低価格の骨伝導ヘッドホンは音漏れが大きかったりこめかみに伝わる振動が強かったりと使用するシーンを限られてしまうものも少なくない。
結論から言えばOpenMoveの性能は非常に高くAfterShokzブランドを冠しているだけのことはあると感じた。驚いたことに音質は上位グレードのAeropexとほぼ変わらず振動も抑えられていた。ここはさすが最新モデルといったところか。またAeropexとは違い耳に沿った形状からストレートデザインに変更されたが長時間装着しても耳から側頭部にかけて痛みを伴うことはなかった。

今回のモデルからイコライザ切り替え時にどのモードを使用しているか音声で案内するようになった。今までは「イコライザを変更しました」のみアナウンスされたがOpenMoveでは「スタンダートモード」、「ボーカルモード」、「イヤープラグモード」とモード別にアナウンスしてくれるのでわかりやすい。

Aeropexからの変更点

AfterShokzのフラッグシップモデルであるAeropexとエントリーモデルのOpenMoveにはどのような違いがあるのだろうか。先述した通りOpenMoveはAeropexに比べて直線的なデザインに変更された。これにより装着している際の存在感は増したように感じる。また振動ユニット部も少し大きくなった。ただしこれは皮膚に伝わる振動を抑えながらも音量を確保するためではないかと思いAeropexよりも改良された点であると考えている。また充電端子がUSB Type-C化したことで端子にかかるコストを抑えケーブルの汎用性も上がっている。

一方でバッテリー持続時間が8時間から6時間になった。バッテリー容量は145mAから135mAへと小さくなった。また防水規格はIP67からIP55へと多少の防水防塵機能は低下しているが汗や雨程度では問題ないだろう。

付属品もAeropexは充電ケーブルが2本ついてきたりシリコン製のケースがついてきていたがOpenMoveでは充電ケーブルとしてUSB Type-Cケーブルが1本、ケースは薄いものに変更されている。

このように直接性能に関係しないところや普通い使う分には問題ない場所で製品コストを下げており1万円を切る価格帯で高性能な骨伝導ヘッドホンを展開することができた。

総評

骨伝導ヘッドホンは安かろう悪かろうが顕著に出る製品だと筆者は考えている。きちんとしたものでなければ音質が悪いことに加えて音漏れや不愉快な振動があるものも少なくない。だがこのOpenMoveは非常に優秀で1万円を切る低価格を実現しながらも確かな品質・音質を確保している。AfterShokz OpenMoveは骨伝導ヘッドホン入門には非常に良い機種である。骨伝導ヘッドホンに興味がありつつも上位機種の値段に迷いを持っていた人はOpenMoveで骨伝導ヘッドホンデビューをしてみてはいかがだろうか。

製品詳細ページ