提供:株式会社Scythe

4Chunksでも2度紹介した高コスパCPUクーラーメーカー「ProArtist」。安価ながら高い冷却性能を持ったGratify3とRGB LEDを搭載したハイエンドモデルDESSERTS3の2モデルを紹介したが新たにAMD Ryzen向けにCPUクーラー取り外し時のCPU故障を防ぐパーツ「IFE2」が発売された。RyzenシリーズをはじめとするAM4ソケットはCPUのロック機構が弱く、CPUクーラー取り外し時にCPUクーラー側にCPUがついたまま取れてしまういわゆる「スッポン」と呼ばれる現象が起きる場合がある。CPUクーラーを取り外す前にCPUに負荷をかけてグリスを柔らかくした上でCPUクーラーを細かく動かしながら外すことで大抵の場合は回避することができるのだが、スッポンすることでCPUのピンが曲がってしまったり折れてしまうこともあり得るので精神衛生的にはCPUが外れてしまうことはあまり良くない。特にRyzen 9のような超高額CPUに関してはスッポンして物損したら一大事だ。ちなみにRyzenシリーズのスッポンは物損扱いになるため保証も効かないものがほとんどだ。

今回紹介するProArtist IFE2は物理的にCPUをマザーボードに押さえつけ、スッポンが起こらないようにするためのパーツだ。マザーボードとCPUクーラーのリテンションの間に挟み込むことでCPUをマザーボードに固定してCPUクーラーのベースプレートに引っ張られないようにすることが可能だ。

開封・外観

箱は非常に小さく軽い。パッケージはマザーボードにIFE2を置いているところをイメージしている。

背面には簡単に仕様が書かれており対応ソケットはAM4のみであることが注意点である。AM3やFM2ソケットなど古いAMDソケットでは仕様できないので注意が必要だ。

内容物はIFE2本体のみである。パッケージデザインを見ればわかるがIFE2自体には説明書はいらないだろう。

箱から本体を取り出した。マザーボードのCPUクーラー固定用のネジ穴を利用して固定するための穴が四隅に設けられており、中央にはCPUのヒートスプレッダのみが飛び出るサイズの穴が設けられている。四隅の穴は下にCPUクーラーのリテンションを取り付ける際に仕様するスペーサーを入れるために一段上がった設計となっている。

側面から見るとCPU用の穴の部分は折ってあり分厚くなっている。この厚みがあることでIFE2自体は薄くて軽いものの剛性は確保してありCPUクーラー取り外しの時のCPUホールド感も十分である。

取り付け

それでは実際にProArtist IFE2を取り付ける。IFE2はProArtis製のCPUクーラー2製品はもちろん、非公式ではあるがScytheの虎徹MarkIIやNoctua製のCPUクーラーにも対応している。今回は高額CPUを保護するということで大型ハイエンド空冷クーラーとして鉄板のNoctua NH-U12Aに対してIFE2を試してみる。使用するマザーボードはASUS ROG STRIX 570-F GAMING、CPUはAMD Ryzen 9 5950Xである。

NoctuaのNH-U12Aはこのような形でCPUクーラーのリテンションが取り付けられている。このリテンションとスペーサーの間にIFE2を挟み込む形で取り付ける。

リテンションを外し、CPUクーラー付属のスペーサーを置いた状態にする。

スペーサーの上にIFE2をのせる。この時にマザーボードをケースに取り付けている際はマザーボードのバックパネル、スペーサー、IFE2のネジ穴がずれないようにケースから取り外して設置することをお勧めする。筆者は最初ケースにマザーボードが取り付けられた状態で試したが、マザーボードとIFE2の間にスペーサーを保持することができずに諦めてマザーボードを机に置いて作業した。

リテンションを取り付け、CPUグリスを塗布した。スペーサーとリテンションの間にIFE2を挟むことでリテンションセット本来の厚さよりも厚くなってしまうが、CPUクーラー側のネジの締め具合で厚さ調整ができるのでここは問題ないだろう。またグリスはこのIFE2があるおかげではみ出てもマザーボードやCPU基盤につくことがないので安心感もある。

まとめ

ProArtist IFE2は長年問題になっていたAMD CPU用ソケットのスッポン問題を解決できる数少ないアイテムだ。IFE2一枚挟んでいるだけでCPUクーラー取り外し時にCPUを壊す確率が減り、特に高額CPUを使用している場合はこれ一つでかなりの安心感があるだろう。値段も600円ほどと非常に安価で「とりあえず付けておく」という風に考えられるのも魅力的だ。

注意点としては公式対応しているCPUクーラーはProArtist製のもののみであること、代理店のScytheによってテストされた一部のCPUクーラーについては対応はしているが保証対象外であることである。またIFE2をつけたからといって完璧にCPUクーラー取り外し時のCPU故障を防げるとは限らない。そういった際の物損の保証はないのでIFE2を取り付けてもCPUクーラーの斜め外しや無理な取り外しには注意が必要である。

筆者はレビューの際何度もCPUクーラーをつけたり外したりするのでこのIFE2は故障確率を大幅に下げることができる非常にありがたいパーツであると感じた。今後AMD CPUを使用する検証では重宝するだろう。