製品提供:株式会社サイズ

 PCケースのほとんどには最初からケースファンが搭載されていることが多い。ただし多くのケースは前面に1つ、背面に1つと昨今のPCパーツの廃熱を考えると少し心元ない場合も多い。特にコンパクトなケースを使用している場合、CPUやグラフィックスカードの廃熱は性能・製品寿命に大きく関わってくる。今回はケースに付属しているファンを取り外し、高性能なケースファンを適切な数取り付けた場合どれほどCPUやグラフィックスカードの温度が低下するのかを検証する。

今回使用するケースファン

 今回はPCの冷却パーツとして非常に有名で人気のあるNoctuaのケースファンであるNF-A12x25 PWMを使用する。値段こそは高いものの120mmファンの中では静音、大風量で有名なファンのうちの一つであり非常に高性能なファンだ。

NF-A12x25 PWMのスペック

製品寸法120 x 120 x 25mm
コネクタ4pin
ベアリングSSO2
回転数450~2000rpm(±10%), L.N.A. 使用時1700rpm(±10%)
最大風量102.1m³/h、L.N.A. 使用時 84.5m³/h
ファンノイズ22.6dB、L.N.A. 使用時18.8dB
静圧2.34mm H2O、L.N.A. 使用時1.65mm H2O
最大電力1.86W
最大電流0.14A
電圧12V
MTBF150,000時間
保証期間2年間

パッケージ

 パッケージはNoctuaのコーポレートカラーである茶色をベースにデザインされている。箱は普通のファンと違い紙のパッケージも開いて内部まで説明が書いてあるほか、ファンと付属品はブリスターパッケージに収められている。

付属品

 付属品は写真左上からPWM対応4PINファン端子300mm延長ケーブル、低ファンノイズ変換アダプタ(L.N.A.)、PWM対応4PINファン端子2分岐Y字ケーブルの3本のケーブル、水冷ラジエターに取り付ける際の防振用シリコンガスケット、シリコン製防振ファンブッシュ、固定用のテーパーネジ4本が収められている。付属品の充実さも他社製ファン

本体外観

 本体はベージュのフレームとブラウンのインペラがNoctuaらしく印象的だ。インペラ枚数は9枚と一般的なファンよりも多く素材はSterrox LCPと呼ばれる超硬質な素材を使用している。この素材により回転時の遠心力によるファンの変形や振動を抑え、ブレずに回転することができる。そのためインペラとフレームの隙間は従来の1.5mmから0.5mmまで縮めることができた。

 中央のモーターハブは非常に大きく中央はスチール製、アクスルマウントは真鍮で補強されている。これにより精度と安定性の向上を図っている。また軸受けとしてNoctua独自のSSO2ベアリングが採用されており軸ブレ防止、耐久性の向上を図っている。

 インペラにはFlow Acceleration Channelsと呼ばれる溝が設けられている。この溝により乱流を抑え騒音レベルの低下が期待できる。また先ほど説明した通りフレームとインペラの隙間は非常に狭く作られている。これにより風量の増加と風の直進性を高めることでより効率よくPC内部を冷やすことができる。

 背面は4本のフレームで中央のモーター部を支えるというシンプルな構造である。

 NF-A12x25 PWMは名前にPWMとついているだけありPWM制御で回転数を調整することができる。当然ケーブルは4pinだ。

冷却性能をチェック

 それでは実際にPCに組み込んでケースに付属しているファンとNF-A12x25 PWMを比較する。今回の構成はFractal DesignのDefine 7 CompactにCPU、グラフィックスカードともにハイエンドのものを使用する。

検証構成

OSWindows 10 Pro 1909
CPUAMD Ryzen 9 5950X
CPUクーラーNoctua NH-U12A
マザーボードASRock X570 Creator
メモリCentury Micro CK16GX2-D4U3200
グラフィックスカードELSA GeForce RTX3090 ERAZOR X
SSDSamsung 980Pro 500GB
電源Cooler Master V1200 Platinum
ケースFractal Design Define 7 Compact

ケース付属ファンをNF-A12x25 PWMに交換する

 Define 7 Compactには最初からフロントに140mmファン、リアに120mmファンが1つずつ搭載されている。どちらのファンも3pinでPWM制御には対応していない。

 Define 7 Compactに搭載されていたファンを外し、NF-A12x25 PWMを合計4基搭載した。これによりケースのエアフローは大幅に改善することが期待できるだろう。

温度比較

 今回は3DMark TimeSpy Extremeを動作させ、その時の温度を計6項目計測した。CPUクーラーを高性能なものに変更しても他パーツは冷やしにくいが、ケースファンを高性能なものに交換し、必要個数搭載するとパーツの温度に変化があることがよくわかるだろう。CPU温度はCPUクーラーを交換していないもののケースファンを変更したことによって風量が増加し、ケース内部の空気の入れ替わりが増えたため温度が下がったといえる。CPUの最高温度は61℃から57℃まで低下しケースのエアフローの重要さがよくわかる。また、マザーボード温度・メモリ温度・GPU温度・GPUメモリ温度も約4℃低下し、ケースファンを交換するとPC全体が冷却されていることが立証された。特にグラフィックスカードの廃熱を直接受けてしまうチップセットは76℃から69℃まで実に9℃の温度低下がみられ、PCケース内のエアフローの重要性がよくわかる。

まとめ

 PCケースを購入した際に付属しているファンも決して効果がないわけではないが、ケースファンを交換するとPC内部全体の冷却が期待できる。今回の検証では25℃環境でのテストだったが、夏場などもっと室温が暑くなるような環境でPCを使用するとケースファンによるPCパーツの温度差は大きくなるだろう。PCパーツの温度は性能の他、製品寿命にも大きく関わってくる。長時間ゲームをしたり重たい作業をする人は高性能なファンに乗せ換えることをお勧めする。特に今回紹介したNoctuaのNF-A12x25 PWMは風量の多さ、ファンノイズの少なさに定評があり非常に人気なファンなので特にお勧めできる製品だ。ちなみにこのNF-A12x25 PWMを最初から搭載したCPUクーラーであるNoctua NH-U12Aも非常に優秀なCPUクーラーなのでこちらも併せて検討してみてほしい。