ASRockからは定番の「Steel Legend」や「Pro4」のほか、Bシリーズチップセットでは初となる「Taichi」や「Extreme4」などがラインナップ。B450から電源周りが大幅に強化され、「Steel Legend」シリーズより上位のモデルとMini-ITX 2製品には高効率で低発熱なDrMOSが採用されている。
なお、本記事では日本市場に投入予定の製品のみを紹介し、「B550 Extreme4」や「B550 Phantom Gaming 4/ac」など、国内での発売予定がない製品については省略する。
ATX
B550 Taichi
同ブランドの上位モデル「X570 Taichi」よりも電源回路が強化された、ASRock B550の最上位モデル。改良されたフルアーマーヒートシンクや14+2フェーズの堅牢なVRMなど、最上位に相応しい豪華な装備で登場。
SATAはB550マザーボードとしては最多の8ポートを搭載し、高い拡張性を備えている。
LANはIntel製の2.5GbE、Wi-FIは2.4Gbps対応のIntel AX200 (Wi-Fi 6 ax)を採用。その他8ポートのUSB、2系統のデジタル映像出力端子、BIOS FlashbackボタンやClear CMOSボタンをリアI/Oに備える。
コストよりも性能を重視してPCを組みたい方におすすめだ。
下位モデルの「B550 Steel Legend」と同一の基板設計で、「X570 Phantom Gaming X」に匹敵する12+2フェーズ・50A DrMOS採用の堅牢なVRMやヒートパイプつきのVRMヒートシンクが特徴だ。
また、大型のチップセットヒートシンクやデュアルM.2ヒートシンクなど、冷却面がしっかりしておりハイエンドCPUと簡易水冷クーラーの組み合わせでも安心して運用できそうだ。その他、7セグメントディスプレイやフロントType-Cヘッダなどのハイエンド装備を有する。
リアI/Oは合計8ポートのUSB、PS/2ポート、Realtek 2.5G LAN、HDMIを搭載する。USB 2.0が4ポートあるため、USB周りの安定性を重視したい方にもおすすめしやすい。
Ryzen 7やRyzen 9などのCPUを使ってハイエンドゲーミングPCを自作する際には是非とも候補に入れてほしい1枚だ。
「B550 PG Velocita」「B550 Extreme4」と同一の基板設計。「B550 Extreme4」とほぼ同じだが、マザーボード下部の電源ボタンやリセットボタン、PCIe×4スロットの金属シールドなどが省略されている。また、VRMヒートシンクも切り込みがなくなっており、若干のコストカットがなされているようだ。
基本的には「B550 PG Velocita」の機能削減版だが、DisplayPort端子が追加されているため、用途によってはこちらのほうが選ぶ理由があるかもしれない。
LANは上位モデルと同じくRealtek製の2.5GbEを採用しているほか、USBの構成なども上位モデルと変わりない。オーバークロックや細かな電圧設定などを行わず、定格安定で運用したいという方には非常におすすめできるマザーボードだ。
安価ながら高機能で人気の「Pro4」シリーズ。B450ではATXとMicroATXに機能面での差はほぼなかったのだが、B550ではDisplayPortがない・USBが2ポート少ないという点でATXモデルがMicroATXモデルに比べて少し劣ってしまっている。
VRMは6+2フェーズでDrMOSも使われておらず、発熱は多めと予想される。安価なわりには比較的大きめのVRMヒートシンクがあるため、Ryzen 5などを動作させるには十分だろう。Ryzen 7以上は上位モデルの購入をおすすめしたい。
M.2は2スロットあり、PCIe 4.0に対応した上側のスロットにはヒートシンクを備える。
Ryzen 5やRyzen 3など、安価なCPUと組み合わせて使用するのがよさそうだ。
「B550 Pro4」をベースに、さらに機能を削減して価格を抑えたモデル。
VRMヒートシンクは非常に簡素なもので、VRMの構成自体は「B550 Pro4」のそれと同じだ。
リアI/Oも簡素なもので、一般的な5Gbps転送対応のUSB 3.2 Gen1が6ポートとHDMI、Realtek Gigabit LANのみを搭載する。
M.2が2スロットとSATAが6ポートあるためストレージ周りの拡張性は比較的高め。
Ryzen 3でとにかく安く組みたいという場合には選択肢の一つになるかもしれない。
MicroATX
大人気「B450M Steel Legend」の後継。ATXモデルと比較すると拡張性はもちろん性能でも劣る部分がある(ATXは12+2フェーズ、こちらは8+2フェーズなどだ)が、それでもRyzen 7などを動かすには十分な性能をもつ。ただしVRMヒートシンクが小さめなため、Ryzen 9などより上位のCPUを使用する際はエアフローをしっかりと考えた方がよいかもしれない。
M.2は2スロットあり、そのうちCPU直結でPCIe 4.0に対応する上側のスロットにはチップセットヒートシンクと一体化したヒートシンクを備える。
リアI/OもUSBが8ポート、2系統のデジタル映像出力端子、PS/2、Clear CMOSボタン、Realtek 2.5G LANと充実している。
第3世代Ryzen対応のMicroATXマザーボードとして非常によい選択肢になりそうだ。
「B450M Pro4」の後継で、安価ながら非常にしっかりとした拡張性を備える。
VRMは6+2フェーズでディスクリートMOSFET採用と控えめだが、安価なわりには比較的大きめのVRMヒートシンクがあるため、Ryzen 5などを動作させるには十分だろう。Ryzen 7以上は上位モデルの購入をおすすめしたい。
M.2は2スロットあり、PCIe 4.0に対応した上側のスロットにはヒートシンクを備える。
前述の通り、リアI/Oは「B550M Steel Legend」と違いMicroATXモデルのほうがATXモデルよりも機能が充実している。USBはUSB 2.0からUSB 3.2 Gen2まで合計8ポート搭載し、映像出力端子にはHDMIとDisplayPort、そしてVGAの3系統が存在。小型で拡張性が高く安価なマザーボードを探しているならこの「B550M Pro4」がぴったりだ。
B550M-HDV
「B550M-HDV」はASRock製のB550マザーボードの中では最も安価な製品だ。VRMの性能やヒートシンクがないことからRyzen 7やRyzen 5を動かすには不安が残るため、Ryzen 3 3100などと組み合わせるのがよさそうだ。
リアI/OはRealtek Gigabit LAN、6ポートのUSBとシンプルだが、映像出力端子は3系統あり比較的充実している。
Mini-ITX
Phantom Gamingシリーズに属する高性能なMini-ITXマザーボード。
VRMは6+2フェーズで、超高性能な90A DrMOSを搭載する。またフロントUSB Type-Cヘッダも搭載し、高性能かつ高機能な製品だ。映像出力端子はHDMI 2.1とDisplayPort 1.4の2系統。また、LANはIntel製の2.5GbEとなっている。M.2はPCIe 4.0に対応したHyper M.2が1スロットあるほか、裏面にもPCIe 3.0まで対応のスロットが1つあり、拡張性も高い。
B550M-ITX/ac
安価ながらも50A DrMOSを採用した6+2フェーズのVRMやHDMI 2.1+DisplayPort 1.4の2系統のデジタル映像出力端子、M.2ヒートシンク搭載など機能充実のMini-ITXマザーボード。
VRMヒートシンクは最低限のものだが、VRM自体はかなり高性能な部品が使われているため高性能なCPUもしっかり動かすことができるはずだ。
小型なRyzen PCを価格を抑えて組みたいという方は候補に入れてみてほしい。
Ryzen APUを使いたい方にもおすすめできるが、Ryzen 3000GシリーズやAthlonはB550マザーボードでは動作しないため注意が必要。次世代のRyzen 4000Gシリーズまで待つ必要がある。