
製品提供:BitFenix Co. Ltd.
近年の自作ゲーミングPCは「RGB LED搭載」がふつうになっており、性能よりも”魅せる”ことに注力して自作する人もいるくらいだ。初めて自作PCを組むという人も光るパーツを選択することが多くなっている。
そこで今回は「光る」ことが特徴であるケース「BitFenix ENSO MESH」を紹介する。
スペックを確認
製品名 | ENSO MESH |
カラー | ブラック、ホワイト |
素材 | スチール、プラスチック、強化ガラス |
対応マザーボード | Mini-ITX, MicroATX, ATX, E-ATX (最大272mm) |
対応グラフィックボード | 長さ 340 mm / 幅 150 mm まで |
CPU クーラー | 高さ 160 mm まで |
裏側配線スペース | 23 mm |
PCIスロット数 | 7 |
フロントI/O | 2 x USB 3.0 1 x HD Audio/Mic |
3.5インチドライブベイ | 2 (2.5インチベイとしても利用可) |
2.5インチドライブベイ | 3 |
フロントファン | 2 x 140 mm または 3 x 120 mm |
トップファン | 2 x 120 mm |
リアファン | 1 x 120 mm |
同梱ファン | フロント用:1 x 120 mm (ブラック) リア用:1 x 120 mm (RGB LED搭載) |
対応ラジエーター | フロント:1 x 240 mm / 1 x 280 mm / 1 x 360 mm (厚さ 35 mm / 幅 141 mm / 長さ 400 mm まで) リア:1 x 120 mm |
LEDコントローラー | 右側面内部に取り付け済み |
対応電源ユニット | ATX & EPS 12V, 奥行 160 mmまで |
ダストフィルター | 2 x フロントパネル / 1 x ボトム |
本体サイズ (W x H x D) | 210 x 489 x 452 mm |
重量 | 7 kg |
保証期間 | 1年 |
選べる2種類のカラー
「ENSO MESH」はブラック、ホワイトの2種類のカラーから選べる。これは好みに応じて選ぶとよいだろう。個人的には、他のパーツと合わせやすいのはブラックだが、ライティングがより映えるのはホワイトだという印象だ。
なお、今回レビューを行うのは写真右側のホワイトモデルだ。


どちらもASUS Aura Syncに対応するLEDを搭載しているのがこの製品の大きな特徴の1つだ。Aura Sync以外にも、GIGABYTE RGB FusionやMSI Mystic Light Sync、ASRock Polychrome RGBにも対応する。

外観をチェック

左サイドには黒みのかかった強化ガラスパネルを採用。内部がよく見えるため、”魅せる”PCを組むのにうってつけだ。安価なケースではアクリルパネルがよく採用されるが、このケースは強化ガラスパネルとなっている。強化ガラスパネルはアクリルパネルと比較して内部がよりクリアに見え、また傷もつきにくい。

前面は全体がメッシュになっており、通気性が高くなっている。
また、四隅にはこのPCケースの大きな特徴の1つであるアドレサブルLEDが搭載されている。発光パターンは変更可能なので、好みに応じたライティングを楽しむことが可能だ(後ほど詳しく紹介する)。

前面上部にはマイク・ヘッドホン端子、電源・HDDアクセスランプ、USB 3.0×2、各種ボタンが配置されている。ボタンは左からLED、電源、リセットスイッチとなっている。



前面以外にも様々な部分がメッシュ状となっており、通気性を重視したつくりになっている。
なお、ケース上面のメッシュ部分はマグネット式で脱着可能となっている。付属のカバーに交換することで静音性を高めることも可能だ。

電源部分の防塵フィルター。横にスライドすることで簡単に取り外すことができる。

付属品。結束バンド、ビープスピーカー、各種ネジ(スペアあり)などがHDDマウンタにくくりつけられていた。
内部をチェック
それでは内部を詳しく見ていこう。

ケース内部は5インチベイなどがない分広くなっている。


ケースファンは標準で2つ付属している(フロント×1、リア×1)。全体がメッシュ構造なこともあり、一般的な構成であればケースファンを追加しなくても排熱は十分間に合うだろう。
また、2つあるケースファンのうちリア側の1つはRGB LED搭載で色鮮やかに発光する。RGB LEDを搭載したケースファンをさらに追加することで、見た目の良いオリジナルPCを作ることができる。

ケースファン・ラジエーターの対応は、リアが120mm×1、トップが120mm×2、フロントは120mm×3もしくは140mm×2となっている。280mmラジエーターを採用した中型の簡易水冷クーラーが使えるのは大きなプラスポイントだ。

ちなみに前面のメッシュは下部を少し引っ張るだけではずれる。メッシュだから軽いかと思いきや、しっかりとした補強がされており、それなりに重量があった。

裏側は裏配線ができるようにスペースが設けられている。見た目重視のPCを作るには裏配線は欠かせない。




内蔵3.5インチベイ2つのほか、2.5インチ専用の固定器具が3つある。
3.5インチベイにはもちろん2.5インチSSDを搭載することができる。2.5インチ用のネジ穴が設けられており、3.5インチへ変換するマウンタを必要としない設計だ。


各RGB LEDを制御するためのコントローラーも裏側に取り付けられている。
アドレッサブルRGB LEDに対応しており、3ピンヘッダーを搭載したマザーボードとの接続したイルミネーションのコントロールにも対応している。



電源ユニットを取り付ける際、安価なケースでは手で持ちながらネジを固定しなければならないものも多いが、このケースの場合は下にあるクッションのおかげで楽にネジの固定ができる。

CPUに電力を供給する補助電源は、ケース上部の角の隙間から出すことができる。この隙間はマザーボードを組み込むと隠れて見えなくなる。見た目を重視したいユーザーには嬉しい設計だ。
マザーボードを組み込む
実際にマザーボードを組み込んでみる。今回使用したマザーボードはGIGABYTE X570 AORUS ELITEだ。ASUS製マザーボードを使うべきなのだが、今回は用意できなかったためGIGABYTEマザーボードを使用することになった。GIGABYTE RGB Fusionにも対応していることが確認できたので問題はないだろう。

実際にマザーボードを組み込んだ。標準で付属するRGB対応ケースファンは風量は控えめだが、色鮮やかに発光する。
前面に取り付けられた光らないファンは、静音なわりに風量はそこそこで、標準ファンのままでも十分エアフローは確保できていた。

今回使用した「GIGABYTE X570 AORUS ELITE」のような裏側にLEDがあるマザーボードを組み込むと、間接照明となってやさしい光が隙間から漏れる。間接照明を楽しみたい場合は黒いケースよりも白いケースのほうがおすすめだ。

ケース前面のLEDは色や発光パターンを変更することができる。
消灯→赤→緑→青→紫→黄→シアン→橙→黄緑→カラーサイクル→消灯
総評
良いポイント
- 前面にアドレサブルLEDを埋め込んだ珍しいケース
- 「魅せる」ことに特化した設計
- 純粋なPCケースとしてもしっかりとしたつくり
- 通気性がよく熱がこもりにくい設計
微妙なポイント
- 今回触った個体には処理が甘いところがあった
- フロントUSBポートが2ポートと少なく、USB 2.0もない
このケースの最大の特徴は前面にAura Sync対応のアドレサブルLEDが埋め込まれていることだ。それに加え、大きなガラスサイドパネルを採用するなど、とにかく「魅せる」ことを第一に考えたケースとなっている。しかしながら、純粋なPCケースとしてみてもしっかりした設計になっている。拡張性が高く通気性も良いため、実用性は十分だ。
残念な点としては、USBポートの少なさや処理の甘さが目立ったことだ。処理の甘さに関しては組み立ててしまえば問題ない。しかし、USBポートが少なくUSB 2.0がないことはマイナスポイントだ。近年はUSB 2.0をリアI/Oに搭載したマザーボードが数を減らしているため、レガシーデバイスを使用したり、電波干渉やノイズを軽減したい方は注意が必要だ。
とはいえ、ここまで「魅せる」ことに特化したPCケースは珍しく、またその設計もなかなかのものだった。ASUS Aura Sync対応のケースだが、GIGABYTE RGB FusionやMSI Mystic Light Sync、ASRock POLYCHROME RGBでも問題なく動作するとのことなので、マザーボードやビデオカードを選ばない。
「とにかく光るPCを作りたい!」という方は是非この「ENSO MESH」を検討してみてほしい。