PCで3Dゲームをするには高性能なゲーミングデスクトップPCやゲーミングノートPCが必要になる。どちらもPCゲームを始めたての人にとっては敷居の高い価格でありなかなか購入に踏み切れない人も多いだろう。今回はそんな低価格で入門機としてふさわしいASUS TUF GAMING FX505DTを紹介する。

スペック

CPUAMD Ryzen 5 3550H
メモリ2400MHz 16GB(8GB x 2)
ストレージNVMe M.2 PCIe 3.0 x 2 (512GB)
GPUNVIDIA GeForce GTX1650 4GB/Radeon RX Vega 8
ディスプレイ15.6inch IPSフルHD液晶 144Hz
重量2.25kg
バッテリー駆動時間約4.7時間
ACアダプター容量150W
入出力インターフェース外部ディスプレイ出力:HDMI×1
USBポート:USB3.0×2、USB2.0×1
オーディオ マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1

開封

 箱はロゴが直接段ボールに印刷されている茶色いものが使われている。上位モデルになると箱から手の込んだものが多くみられるが今回のTUF GAMING FX505DTは非常に安く手に入るモデルなのでこういったところからコストカットされているのだろう。

 箱から本体を取り出した。本体はトップパネルはヘアライン加工されていて高級感がある。

 付属品は充電器と説明書のみで非常にシンプルだ。

外観レビュー

 画面サイズは15.6インチでノングレア。光沢を抑えた液晶なので映り込みも少なくゲームプレイ時にも目に優しい。ベゼルは非常に狭く15.6インチ液晶でありながら筐体は小さめだ。液晶のリフレッシュレートは144Hzまで対応している。

 キーボードは一般的なパンタグラフタイプだ。右側にはテンキーが設置されている。キー配列は英語配列で日本人は使いにくい人も多いだろうが個人的には普段使用しているキー配列も英語配列なので慣れている人にとっては全く問題ないだろう。キーピッチは1.9mm、キーストロークは1.7mmでフルサイズのキーボードと同じ感覚で打ちやすい。ただしこれはASUSのノートパソコンほぼすべてに言えることなのだがキーボードのボディ剛性がなく、キーを強く推した際にパネルが歪んでしまう。使用に問題があるほどではないがタイピング時に少し不安を感じることもある。

 WASDキーは透明なものを使用している。またWキーには点字のような印がついているため黙示しなくても手だけで位置を調整することも可能だ。

 キーボードはRGBLEDに対応しているのでもちろん派手に光らせることも可能だ。ただしキーごとに色を変えられるわけではなくキーボード全体で1色の発光である。

 ファンクションキーは様々な機能が搭載されており音量調整や画面の明るさ調整はもちろんマイクのミュート、ファンの回転数制御も変更できる。

 本体左側面にインターフェースが用意されており左から充電端子、1GbLANコネクタ、HDMI端子、USB2.0、USB3.0 x 2、Φ3.5mmオーディオ端子となっている。HDMI端子は最大で4Kの出力が可能だ。

 本体右側はすっきりとしていて画面側にケンジントンロックが設けられているのみとなっている。

 背面左右には赤く塗装された排気口のフィンが見えている。じっくりと見ないとわからないような場所だがTUF GAMINGブランドを彩るアクセントになっている。

 背面は上半分に排気口を含めたデザインが施されている。写真左側中段と中央中段に吸気口が設けられており先ほどの写真で紹介した赤いフィンの部分から排気する。

内部構造

 TUF GAMING FX505DTの内部はどのようになっているのだろうか。背面のカバーを外して内部構造を確認してみた。

 内部で一際目を引くのは2つあるノートPCとしては大きめのファンではないだろうか。このTUF GAMING FX505DTはCPUにRyzen 5 3550H、GPUにNVIDIA GeForce GTX1650を搭載しているので通常のノートPCと同じ冷却システムでは冷やし切ることは不可能だ。銅製のヒートパイプが左右に伸び、ブロワーファンによって排熱される。

 メモリは16GB搭載されている。動作クロックは2400MHzでチップはMicronのJ-dieのものが使用されていた。

 M.2 SSDは底面左側のファンの下に搭載されている。製造元はMicronで接続方式はPCIe 3.0 x 2だ。デスクトップPCのような速度は出せないがSATA SSDよりも高速で快適なゲーム動作に寄与するだろう。

 バッテリーは48Whのものが搭載されている。大容量にも感じられるがRyzen 5 3550HとNVIDIA GeForce GTX1650が通常のノートPCよりも電力を必要とするため実際のバッテリー駆動時間は3時間ほどだ。省エネルギーのためアイドル時はGPUにRyzen 5 3550Hに搭載されているRadeon RX Vega 8を使用しているがそれでも電力の消費は激しい。

 バッテリーの隣には2.5インチベイが用意されている。SATAコネクタも用意されているので2.5インチHDDやSSDを増設することも可能だ。

 トラックパッドとマザーボードの接続にはフラットケーブルが使用されている。バッテリーに半分押し潰されるような形になっていて少々耐久性に不安は感じられるが問題はないだろう。

性能測定・ベンチマーク

 それではTUF GAMING FX505DTの性能を測定していく。

Cinebench R15

 Cinebench R15を最大パフォーマンスが出るファン設定「Turboモード」で動作させた。結果は735cbでZen+世代ののゲーミングノートPCとしては十分だろう。Intel Core i5-9300Hよりは多少性能が劣るがコストパフォーマンスを考えたらRyzen 5 3550Hに軍配が上がるだろう。

Cinebench R20

 Cinebench R15ではマルチスコア 1707pts、シングルスコア138ptsという結果になった。MP Ratioは12.38とマルチ性能が相対的に非常に高いことを示した。

CrystalDiskMark

 CrystalDiskMarkで搭載されているSSDの速度も計測した。シーケンシャルリード・ライトは50MiBから32GiBまでほぼ変わらず1850MB/s・1060MB/sほどであった。ランダムリード・ライトも変動がなくどのようなデータでも同じ性能を出し続けられる。

 ベンチ動作時のSSD温度は最大60度。排熱が制限されるノートPCに搭載されているNVMe SSDとしてはなかなか優秀なのではないだろうか。ちなみにアイドル時のSSD温度は49度だった。

FF XVベンチマーク

 FF XVベンチマークフルHD・標準品質でスコア5161 やや快適という結果になった。実際にプレイするのであれば低画質に落とすか解像度を1280 x 720にすると良いのではないだろうか。GeForce GTX1650にはフルHD・標準品質は少し厳しいのではないだろうか。

Apex Legends

 Apex LegendsをフルHD、全て最低設定でプレイした。プレイすることはできるが全体を通して60~70fpsとTUF GAMING FX505DTが搭載している144Hzディスプレイを生かしきれない結果となった。画面サイズが15.6インチということもあり解像度を1280 x 720でプレイしても画質はそこまで悪いとは感じなかったので解像度を落とすのもありだろう。

総評

 ASUS TUF GAMING FX505DTは入門用のゲーミングノートPCとして非常におすすめの一台だ。Ryzen 5 3550H、NVDIA GeForce GTX 1650を搭載していることもあり中負荷のゲームであれば全く問題なく動作させることができる。またApex Legendsなどの高負荷なゲームも設定次第では楽しめるだろう。ディスプレイは144Hzに対応していることもあり新たにゲーミングモニターを用意する必要もない。また何よりこのTUF GAMING FX505DTはAmazonで8万円を切る低価格で発売されていることもあり少し高いノートPCと同じくらいの値段で買えることもある。ある程度の性能のPCを外に持ち運びたいといった際にも非常に便利な一台であることは間違い無いだろう。