2020年10月9日午前1時(日本時間)AMDの公式YouTubeチャンネルにて第4世代Ryzenシリーズ「Zen3」を発表した。Zen3のCCXは8コア/32MB L3 Cacheになりダイ内部でのCPUレイテンシの低下が狙え、より多くのデータをダイ内に収めることができる。
今回の発表で正式に発表された新型Ryzenシリーズのスペック、新CPUの特徴について簡単にまとめた。
今回のZen3での変更点
- ブーストクロックの向上
- IPCの向上
- 新たなコアレイアウト
- 新たなキャッシュテクノロジー
Zen3アーキテクチャは8コアのCCXを使用することでレイテンシを抑えている。またL3キャッシュはZen2の2倍、IPCは19%向上させている。
Zen2までは1つのCCXに4コア、16MBのL3キャッシュが格納されていたがZen3では1つのCCXあたり8コア、32MBのL3キャッシュが格納されている。
Zen3のRyzen 9は初代Zenの最上位モデルであるRyzen 7 1800Xに比べ実に2.4倍の性能を誇る。Ryzen 9 3900XTと比較すると1.2倍の性能である。
またCinebenchR20のシングルパフォーマンスではCore i9 10900Kのスコアが544ptsであったのに対しRyzen 9 5900Xでは631ptsと大きく上回っている。
ゲーム性能もZen2のRyzen 9 3900XTに比べ平均26%の向上が認められた。
今回発表されたモデル
- Ryzen 5 5600X
- Ryzen 7 5800X
- Ryzen 9 5900X
- Ryzen 9 5950X
スペック表
Ryzen 5 5600X | Ryzen 7 5800X | Ryzen 9 5900X | Ryzen 9 5950X | |
コア数 | 6 | 8 | 12 | 16 |
スレッド数 | 12 | 16 | 24 | 32 |
ベースクロック | 3.7GHz | 3.8GHz | 3.7GHz | 3.4GHz |
ブーストクロック | 4.6GHz | 4.7GHz | 4.9GHz | 4.9GHz |
キャッシュ(L2+L3) | 35MB | 36MB | 72MB | 72MB |
TDP | 65W | 105W | 105W | 105W |
ソケット形状 | AM4 | AM4 | AM4 | AM4 |
付属クーラー | Wraith Stealth | なし | なし | なし |
価格 | $299 | $449 | $549 | $799 |
発売日 | 2020/11/05 | 2020/11/05 | 2020/11/05 | 2020/11/05 |
今回発表されたCPUはRyzen 5 5600XのみCPUクーラーが付属する。前世代ではRyzen 9 3900XまでWraithクーラーが付属していたがZen3ではRyzen 7以降のCPUにはCPUクーラーが付属していない。
Radeon RX 6000シリーズについても言及
10月28日に詳しく発表されるRadeon RX 6000シリーズについても今回の発表内で触れていた。こちらは10月28日の発表時に改めて解説する。
なおAMDのオンライン発表イベントは以下から見ることが可能。