今回はゲオオリジナルのワイヤレスイヤホンをレビューする。アクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載していながら4999円という価格を実現したこのイヤホンは、どれほど実用的であるかをレビューしていく。 アクティブノイズキャンセリング(ANC) はデジタル処理によって外部の音を打ち消し、雑音の影響を軽減する機能である。イヤホンに搭載されたマイクから外部の音を集め、プロセッサが生成した逆位相の音と音楽を一緒に再生をすることで周囲の音を消す仕組みだ。 アクティブノイズキャンセリング搭載のイヤホンはソニー「WF-1000XM3」、「WF-1000XM4」やアップル「AirPods Pro」など有名メーカーから複数発売されているが、機能が豊富なだけあって価格はやや高めの傾向にある。機能が豊富で価格が5000円を切るというだけでも驚きだが、ゲオのワイヤレスイヤホンは価格以上のパフォーマンス見せてくれるだろうか。

 このワイヤレスイヤホンはベースとなったQCY HT01と呼ばれるモデルがあり、外観だけでなくイヤホンの型番に注目すると「SWE-HT01 BG」と一致していることがわかる。また、 QCYのイヤホンに用意されたアプリも使用可能だ。

 尚このイヤホンはゲオオンラインストアや店頭で購入できる。

製品仕様

型番GRFD-SWE500HT01
イヤホン本体質量(片耳)約5.5g
使用温度範囲/湿度範囲5~40℃/20~80%
マイク感度  -38dB
連続音楽再生時間(待機時間)ANC/オン:約4.5時間(約7時間)
ANC/オフ:約6時間(約20時間)
本体イヤホン充電時間 充電ケースでの充電:約2時間
※充電ケースが満充電の状態で最大5回まで充電可能
充電ケース充電時間 約3時間
充電ケースサイズ(W×D×H) 60.1×27.1×38.9mm
充電ケース質量 約43.2g
充電ポート Type-C
低遅延モード 【低遅延モード/ON】SBC:80ms AAC:160ms
【低遅延モード/OFF】SBC:120ms AAC:190ms
付属品 イヤーキャップ(S/M/Lサイズ ※Mサイズは本体に装着されている)、充電用Type-Cケーブル

開封・付属品

 パッケージデザインに高級品っぽさは感じられないが、搭載されている機能が一目でわかるようになっている。右下からパッケージの内部を覗くことができイヤホン本体と充電ケースが確認できる。

 内容物はイヤホン本体イヤーキャップ(S/M/Lサイズ ※Mサイズは本体に済み)、充電用Type-Cケーブルが入っている。

 充電ケースは600mAhの内蔵バッテリーを搭載。充電ケースが満充電の状態で最大5回まで充電可能だ。また、Qi充電器によるワイヤレス充電にも対応しているのでケーブルをさす手間がかからないのは魅力的だ。サイズもそこまで大きくないため、持ち運びに困ることはない。

 ここで少し気になったのがケースからイヤホンがかなり取りづらかった点だ。マグネットが意外に強めで、冬場の乾燥した時期はイヤホンを落としてしまわないように注意が必要だ。収納スペースは深めでイヤーピースを変更しても収納出来なくなることが少ない。付属のイヤーピースの出来は良くなかったため、筆者はFinal Eタイプのイヤーピースに変更した。

 イヤホン本体には騒音収集用のマイクがあることが確認できる。イヤホンの外観はかなりシンプルで万人受けしやすいだろう。カラーバリエーションがないのは残念だ。

使用感

使用感の前に騒音レベルと感じ方の目安、日常での具体例などをあげると以下のようになる。

騒音値感じる音の目安具体例
20 dBとても静か木の葉のふれあう音・雪の降る音
30 dB静か深夜の郊外・鉛筆での執筆音
40 dB 静か 図書館内・閑静な住宅地(昼間)
50 dB普通エアコンの室外機・静かな事務所の中
60 dB 普通 走行中の自動車内・普通の会話
70 dBうるさい掃除機・騒々しい街頭
80 dBうるさいピアノの音・走行中の電車内・パチンコ店内
90 dBとてもうるさい大声・犬の鳴き声

操作性

 タッチパネルの反応は良好で誤動作などが少ないため好印象だった。タッチパネルの挙動がおかしいイヤホンなどもある中、反応が良すぎず悪すぎない絶妙な感度だった。ただイヤーセンサーが少し厄介で、イヤホンを片側だけ外して音楽が停止するまではいいが、デスクにイヤホンを置いたりするだけで再生が始まってしまうなど置き場には困ってしまう。

サウンドの評価

 音の傾向は比較的癖が少なくジャンル問わず聞くことができる。突出しているような部分はなく人によっては物足りなさを感じる人もいるだろう。その分万人にお勧めしやすい傾向の音に感じた。音に広がりや立体感はあまり感じられず、平坦な印象に感じたが、価格が5000円を切っていることを考えるとこのクオリティは十分と言える。

接続の安定性

 スマートフォンやPCに接続する際に途切れたりといった症状は無かった。ただ、コーデックは低価格モデルでもSBCやAACだけではなくaptXなどに対応しているモデルは多いため、少し残念に感じた。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)の評価

 ANCをオンにすると少しだけ圧迫感を感じ、周囲の音もカットされる。ただし、静寂という程音全てを消してくれるわけではなく、環境音をカットして音楽が聞こえやすくなるイメージだ。周囲の会話やエアコン等の音は気にならなくなるなど低音のノイズには効果を発揮するものの、タイピング音などは軸によってかえって目立って聞こえてしまうかもしれない。騒音を少しでもなくしたい人には役に立つ機能だが、静かな空間で音楽を楽しめるほどまではカットできない。とは言え価格的にハードルの高いANC搭載のイヤホンを試すには良い製品に感じた。機能に魅力を感じたらSONYなどの有名メーカーを試すのもアリだと感じた。

 アウトドアモードは外音を取り込み、走行音等を聞こえやすくしてくれる。ANCオンの状態だと 騒音収集用のマイクが反応してしまい風切り音が入ってしまうが、このモードでは問題ないため、中途半端な機能にに見えてなかなか使い勝手が良いと感じた。

アプリケーション

 この価格帯でアプリが使えるのは驚きだ。ゲオのオリジナルではなく、OEM元のQCYのイヤホンに使われるアプリを使用するため慣れが必要だ。タップしたときのアクションや探索機能、ファームウェア更新、イヤーセンサーのオンオフなどの切り替え可能だ。操作性で感じたイヤーセンサーの煩わしさはオフにすることで解消することができた。

総合評価

 高級機には及ばないものの機能性や手軽さ、価格でかなり存在感を感じるイヤホンだった。 アクティブノイズキャンセリング(ANC) の機能に過度な期待は禁物だが、どのような効果があるのか試してみたい人にはお勧めできる製品だ。また、シンプルなデザインやIPX4の防水性能、ワイヤレス充電対応などANCの性能を考えてもコストパフォーマンスに優れた商品だった。aptX非対応など意外な欠点もあるが、機能が豊富で初めてワイヤレスイヤホンを選択する人には良い製品ではないだろうか。