自作PCの構成ではガラスケース、LEDで魅せる構成をするユーザーが増えている。スタイリッシュなガラスケースも昔に比べリーズナブルな価格で買える物も増えてきた。今回紹介するケースはDeepcool GAMERSTORMブランドのマグネット式強化ガラスパネルを採用したミドルタワーケース、「MACUBE 310」をレビューする。

スペック

マザーボード Mini-ITX / Micro-ATX / ATX
素材 ABS+SPCC+Tempered Glass
製品寸法s 424.6mm×215mm×494.6mm(L×W×H)
寸法 540mm*283mm*495mm
重量 8.33KG
総重量 10.34KG
5.25″ ドライブベイ 0
3.5″ ドライブベイ 2
2.5″ ドライブベイ 2
I / Oパネル USB3.0×2、Audio×1、Mic×1
拡張スロット 7+2 Slots
冷却ファン Compatibility Pre-installed: Rear: 1×120mm DC fan;                     Optional: Front: 120mm×3/140mm×2, Top: 120mm×3/140mm×2
電源タイプ ATX PS2 (Length less than 160mm)
CPU Cooler Height Limit 165mm
Liquid Cooler Compatibility Front: 120/140/240/280/360; Rear: 120
VGA Length Limit 330mm
Cable Management 23mm clearance

外観・パッケージ

外箱のデザインはシンプルなつくりだ。PCケースの箱としてはごくごく普通の見た目であるが、GAMERSTORMブランドのロゴはしっかりと印刷してある。

段ボールの中には発泡スチロールで隙間がないように商品が入っているため、取り出すのがやや難しい。勢い良く取り出して中のガラスを壊してしまわないように注意が必要だ。

サイドパネル部はガラス・スチールでできている。スチールのサイドパネルのでっぱりは少々気になるが取り外しは容易にできそうだ。ガラスはとても完成度が高い。

一見窒息してしまいそうな見た目だが、 このケースの吸気・排気の仕組みにはある工夫が施されているため心配はご無用だ。

GAMERSTORMブランドのロゴ

サイドパネルはマグネットで簡単に着脱が可能。このマグネット単体では磁力が弱いため移動の際はやや注意が必要。

付属の120mmファンは3ピン使用で、つくりも安っぽいため気になる場合は追加購入をおすすめする。

上部にメッシュ上の通気口がありそこから排気する仕組みになっている。上部Nのパネルは完全にオープンではないため少し排気の効率は下がるが、埃も入りづらくファンの裏側も隠せるためデザインと機能のバランスのとれた設計だ。

電源ケーブルなどが綺麗に配線しやすいよう各所スルーホールが設けられている。可能であれば上部にもフタが付いている方が良かった。

電源は配線だけ隠すデザインになっている。

重量のあるグラフィックボードを支える「グラフィックカードホルダー」がケースに付いている。大型のヒートシンクを持つ3連ファンのグラフィックボードの重量から、マザーボードのPCIeスロットにかかる負荷を減らしてくれる。

ラジエーターを取り付けた際は一番フロント側のファンとUSB等のケーブルが干渉しないように注意して配線するのが望ましい。

裏側の配線スペースは十分確保できる。

ファンハブには4つのPWMファンが接続でき、一括管理が可能だ。ファンコネクタ不足、見映えも同時に解消してくれる。

3.5ドライブベイ、2.5ドライブベイがそれぞれ二つずつある。最近はM.2 SSDを使用するユーザーも多いため、3.5インチのHDDをたくさん載せるユーザーを除けば必要十分はあると言えるだろう。

電源のスペースは3.5インチベイがあるためスペースが狭いが、多少はフロントパネル方向にずらすことができる。フロントのファン、ラジエーターの位置を考えながら移動させると良いだろう。

電源のスペースの通気口には防塵フィルターが装備してあるため、塵や埃が入るのをある程度抑えることができる。

ファンを搭載する際はテンションをかけすぎるとケースが歪んでしまうため、きつく締めすぎないよう注意が必要だ。剛性はいまいちに感じる。

ケースファンは1つしかないため、エアフローのために用意されたせ通気口が生かせないのはもったいない。安価なものでもいくつか追加した方がいいだろう。

ケースと合わせておすすめしたいのは同社の「TF120S」だ。光らせる構成を除いた場合、こちらは安価で高性能なファンである点に加え、同じ「GAMERSTORM」シリーズのため統一感を出すことができる。

7+2のPCIeスロットはメッシュ状になっている。

コード類(USB3.0×2、Audio×1、Mic×1)

ネジ類、結束バンドの他にも金具が付属している。これはサイドパネルを固定するもので、上記右側の画像のように使用する。マグネット式のサイドパネルは取り外しが容易であるが、移動する際の傾きで簡単に外れてしまうという弱点がある。見た目を少し犠牲にしてしまうが、ネジで簡単に着脱できる為メンテナンスに影響はほぼないだろう。

組み込み例

同社の「CASTLE 240EX」「TF120S」などをを合わせて組み込んで見るとこの様になる。「TF120S」はケースの中にうまく溶け込んでいるため、排気のファンも同じものが付属していれば統一感が高まり尚良かった。「グラフィックカードホルダー」も組み込んで見ると意外と目立たないため、デザインを邪魔しない良い設計だと思った。GAMERSTORMブランドの製品は数多く存在する為、色々な組み合わせを試してみるのもいいだろう。

総評

プラスポイント

  • ガラスの完成度が高く見た目も美しい
  • エアフロー設計にデザインも両立した通気口
  • マグネットでメンテナンス性の高いサイドパネル。
  • ファンを一括管理可能なファンハブ
  • 重量級グラボを支える「グラフィックカードホルダー」
  • 同社製品で統一感を出しやすいGAMERSTORMブランド

マイナスポイント

  • 剛性がいまいち
  • 付属のファンが安っぽい
  • 固定なしだとサイドパネルが外れやすい

「MACUBE 310」はデザイン・機能共に豊富でバランスのとれたケースでありながらも、Deepcoolらしい個性も濃く感じる良いケースだった。重量級グラボを支える「グラフィックカードホルダー」、ファンを一括管理可能なファンハブなどユーザーに嬉しい機能だけでなく、ファン周辺を隠しながらも吸気・排気をよりスムーズに行える通気口はとても工夫が見られる作りに感じた。サイドパネルに関しては、メンテナンス性が高い反面傾けても外れやすいという弱点を、金具で固定することで克服している。Deepcoolの目指した「抜群の通気性と優雅な美観」というコンセプトにマッチした商品だった。