製品提供:株式会社Scythe

自作PCの醍醐味はユーザーよって様々あり、見た目重視で組むユーザー、性能ユーザー重視で組むユーザーなど楽しみ方は多岐に渡る。今回比較検証していく「BIG SHURIKEN3」「手裏剣2」はスリムケースやMini-ITXケースで活躍するロープロファイルクーラーをレビューする。コンパクトなPCを組む時に発生する問題で挙げられる例として、設置するクーラーのサイズの制限や冷却能力の不足が考えられる。この二つは両立することが難しいが、この大きさの異なる二つの”手裏剣”がどれだけ性能を発揮できるか検証する。

スペック

BIG SHURIKEN3

型番SCBSK-3000
JAN4571225057194
サイズ122(W) × 69(H) × 122(D) mm(各部の最大突起部を含む)
120 × 120 × 厚さ17 mm (搭載ファン)
ファンサイズ120 × 120 × 厚さ17 mm
ファン回転数 (PWM可変)300(±200)~ 1800 rpm(±10%)
ノイズ4.0 ~ 24.9 dBA
風量8.28 ~ 50.79 CFM
対応CPUIntel 775 / 1151 / 1150 / 1155 / 1156 / 1366 / 2011 / 2011(V3) / 2066 AMD AM2(+) / AM3(+) / AM4 / FM1 / FM2(+) / TR4は非対応
ヒートパイプ6 mm径 × 5本(ニッケルメッキ処理済み)
重量475 g(付属ファン含む)
付属品リテンションキット、グリス、図解入り多言語マニュアル(日本語含む)
パッケージサイズ・重量140(W) × 120(H) × 135(D) mm・約 825 g

手裏剣2

型番SCSK-2000
JAN4571225057187
サイズ94(W) × 58(H) × 93(D) mm(各部の最大突起部を含む)
ファンサイズ92 × 92 × 厚さ16 mm
ファン回転数 (PWM可変)300(±200 rpm)~2500 rpm(±10%)
ノイズ・風量 1.8 ~ 23.2 dBA / 4.96 ~ 41.3 CFM
静圧0.2 ~ 13.34 Pa / 0.02 ~ 1.36 mmH2O
対応CPU Intel 775 / 1151 / 1150 / 1155 / 1156 / 1366(2011(V3)および2066は非対応) AMD AM2 / AM2+ / AM3 / AM3+ / FM1 / FM2 / FM2+ / AM4 /  (TR4は非対応)
接続ファン:PWM 4ピン
重量350 g(搭載ファン含む)
ヒートパイプ6mm径 × 4本(ニッケルメッキ処理済み)
付属品リテンションキット、グリス、図解入り多言語マニュアル(日本語含む)
パッケージサイズ・重量120(W) × 100(H) × 125(D) mm ・ 600 g

外観・パッケージ

パッケージはどちらもシンプルなデザインで、それぞれ黒・オフホワイトを基調とした箱となっている。CPUクーラーのサイズが小さく、加えて高さの低いトップフロー型のためか箱のサイズも可愛らしい大きさだ。

製品・付属品

※以下画像は左が「BIG SHURIKEN3」右が「手裏剣2

同じ”手裏剣”という名を持つモデルだけあり外観はかなり似た作りになっている。「BIG SHURIKEN3」が高さ69mm、「手裏剣2」が高さ58mmとロープロファイルクーラーのコンセプトに合わせた高さだ。どちらもサイドフロー型の設置が難しいケースで活躍するだろう。特に「BIG SHURIKEN3」は薄型だが120mmのファンを搭載し、高さを69mmに抑えている貴重なモデルだ。

どちらにもヒートパイプには酸化を防止する高級感ある「ニッケルメッキ処理」を採用している。大きな違いとしてはサイズやヒートパイプの本数で「BIG SHURIKEN3」が5本に対して「手裏剣2」は4本となっている。しかし、全高58mmの「手裏剣2」のほうがコンパクトで小さくケースに組む場合はこちらの方が向いていると言えるだろう。

どちらも厚みのある銅製受熱ベースプレートを採用しておりその完成度も高い。磨き上げは鏡面仕上げとなっており「ニッケルメッキ処理」も施された妥協のない作りだ。「BIG SHURIKEN3」は層が分かれていて表面積を稼いでいる。 「手裏剣2」は凹凸形状の放熱フィンとなっている。スプリングスクリュー仕様のリテンションシステムはネジを締め切れば最適な固定圧が得られるという。

外側の枠部分にも違いがあり「BIG SHURIKEN3」には黒く塗装が施されている。

「BIG SHURIKEN3」に使用されているファンは「KAZE FLEX120 SLIM」で通常の「KAZE FLEX120」の厚さを抑えたモデルだ。薄型のファンだが通常モデルと同じで軸受けには長寿命(MTTF:25℃ 120,000時間)「Fluid Dynamic Bearing」(FDB) を採用している。四方に防振ゴムが取り付けられており、共振よるビビリやノイズを抑えることができる。 インペラは9枚で最大回転数は1800rpm。

「手裏剣2」に使用されているファンは「KAZE FLEX120 SLIM」よりも更にサイズが小さい「KAZE-FLEX 92 SLIM PWM」だ。こちらのファンも四方の防振ゴムや軸受けにFDBを採用しており、 高い静音性や高寿命を期待できる。インペラは11枚で最大回転数はやや高めの2500rpm。

付属品には、リテンションキット、グリス、図解入り多言語マニュアル(日本語含む) が付属する。リテンションキットは共通しているパーツもあるためものによっては使いまわすことも可能だ。どちらにも25mm厚のファンに換装可能なネジが付属しているため、冷却能力やケースの状況に応じて変更が可能。

負荷テスト

今回は以下の構成で負荷テストを行った。

CPUCPU Ryzen 5 3600
M/BGIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI [Rev.1.0]
CPUクーラー手裏剣2/BIG SHURIKEN3
メモリF4-3600C19D-32GSXWB (DDR4 PC4-28800 3600MHz 16GB×2)
ビデオカードSapphire Radeon RX570 Pulse
システム用ストレージINTEL 760p 256GB
OSWindows 10 Pro
電源ユニットFSP HGE750
BIG SHURIKEN3

今回使用した「GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI [Rev.1.0] 」のチップセットファン周辺にほんの少し覆う形になった。オフセットされいるためメモリとの干渉もなく、大型のVRMヒートシンクとの干渉もなかった。ただし、I/O側に寄っているため、ケースによっては排気のファンを搭載することが困難になる可能性があるため注意が必要だ。向きを変える場合はヒートシンクがメモリの頭上に来るため、こちらも干渉にも気を付けた方がいい。どちらの向きで利用するかは環境によって自由に変えるといいだろう。

手裏剣2

手裏剣2」は、チップセットファン周辺やVRMヒートシンク、メモリにそれぞれ干渉の心配は見られなかった。

CPUグリスは新和産業のSMZ-01Rを使用。Prime95 を30分間動作させCPU温度をHWiNFOからデータを計測した。動作環境は気温22.2℃の環境下で行っている。

「BIG SHURIKEN3」が最大86℃、「手裏剣2」は最大91℃となった。サイズの違いもあり冷却能力に差が出た。「BIG SHURIKEN3」はまだ少しだけ余裕があるため温度に余裕を持たせたい場合はこちらを選ぶのが妥当だろう。しかし、コンパクトながら6コアCPUに対応可能な「手裏剣2」も健闘したと思う。前世代のRyzen5 2600程度であれば余裕で運用できそうだ。

総評

スペースの限られた小型なPCでは冷却性能を発揮しづらいが、「BIG SHURIKEN3」「手裏剣2」は6コアのRyzen5 3600を十分運用できる運用できる能力を持っていた。「BIG SHURIKEN3」はサイズが大きいこともあり余力を残しているためケースの制約がない限りは「BIG SHURIKEN3」をおすすめしたい。ZEN2 APU期待される中、小型なクーラーは貴重な存在になるため是非チェックしてみてはいかがだろうか。