製品提供:Turtle Beach

 以前紹介したROCCATの上位グレードマウス「Kone Pro」にはKone Pro Airという無線版も存在する。有線版のKone Proもマウスのケーブルが非常に柔らかく軽いので無線マウスのような使い心地だが、無線版のKone Pro AirはKone Proからどのようなアドバンテージがあるのだろうか。

 有線モデルのROCCAT Kone Proのレビューはこちら

スペック

形状左右非対称型
接続2.4GHz/Bluetooth/USB
カラー白/黒
ボタン数6
サイズ72(w) x 125.6(D) x 40(H)mm
スイッチROCCAT Titan Switch Optical(1万回耐久)
センサーROCCAT Owl-Eye 19K 光学式センサー(PAW3370 ベース)
トラッキング速度400IPS
最大加速度50G
ポーリングレート125/250/500/1000Hz
ケーブル長1.8m
重量75g

パッケージ

 パッケージは白、黒モデル共にデザインは共通である。中に入っている製品本体のカラーがパッケージに反映されている。Kone Proとは違いワイヤレス版である表記がある。

 背面には様々な説明が書かれているが残念ながら日本語の説明はない。世界中のプロゲーマーからの12年のフィードバックを活かして設計されたこと、スイッチのレスポンス、クオリティに関しての説明が英語で書かれている。

 サイドにはKone Proの特色やスペックが記載されている。Kone Proと同じTITAN WHEEL PROやOWL-EYE SENSORなどを搭載している他、ハイエンドゲーミングマウスと呼んでも十分な機能・スペックを持ったKone Proよりもさらに進化したマウスと言えるだろう。

付属品

 付属品はクイックスタートガイド、2.4GHzワイヤレスレシーバー、マウスの充電用USB Type-Cケーブルである。ワイヤレスレシーバー用の延長ケーブル、Kone Proに付属していた交換用のマウスソールは残念ながら付属していない。有線版のKone Proには付属していただけに残念ポイントだ。

外見&レビュー

 それでは実際にROCCAT Kone Pro Airを取り出し、マウスの外観を見ていく。

 マウスの形状は有線版のKone Proと全く同じである。左右非対称形状でサイドボタンは左、マウスの左側が盛り上がった形状で右手専用に設計されている。ROCCATのロゴで使用されていた氷の豹はKone Pro Airにもなく、「ROCCAT KONE」と書かれているのみである。マウス重量こそは無線対応になりバッテリやレシーバーの重量が加わったので有線版のKone Proより9g重たいものの表面のパネルの奥には軽量化のために肉抜きされたROCCAT BIONIC SHELLと呼ばれるハニカム構造が採用されているため75gと無線ゲーミングマウスとしてはトップクラスの軽さと言えるだろう。

 左サイドにはサイドボタンが2つ、ボディは親指がフィットするようにくぼんだ形状になっている。またライン加工されているのでサラサラなシェルながらも使用していて滑らないようになっている。

 後部から見ると左側に膨らんだ形状をしていることがわかるだろう。右手で握った際に手首に負担がかからないようになっている。

 右サイドにもグリップ力増加のためのライン加工が施されている。

 KoneProと大きく違うところというとマウス前方から見るとケーブルがないところだろう。Kone Pro Airは充電用のケーブルを挿すと有線でも使用できるので2.4GHz無線、Bluetooth、有線接続の3通りで使用できる。

 マウスホイールにはTITAN WHEEL PROと呼ばれるアルミニウムから削り出されたマウスホイールが採用されている。かなり肉抜き加工がされているので軽量であるものの、アルミニウムの削り出しのため頑丈な作りとなっていている。ホイールのクリックは非常に軽く、Kone Pro Airのマウスホイールのクリック感に慣れないとスクロール中にマウスホイールをクリックしてしまうことがあるので注意が必要だ。また軽量に作られていることやアルミニウム削り出しのマウスホイールを採用していることからマウスホイールを回すと金属音がすることも独特である。Kone Proも同じマウスホイールを採用しているのだが、このマウスホイールは金属製で非常に硬くラバーコーティングもされていないため長時間使用するとマウスホイールを操作する指が痛くなってしまうことはマイナスポイントであると言えよう。

 Kone Pro Airの充電端子はUSB Type-Cが採用されている。Micro USBを採用するワイヤレスゲーミングマウスが多い中USB Type-Cポートを採用してきたのは嬉しい人が多いのではないだろうか。

 背面も基本的にはKone Proと同じである。Kone Pro Airは無線に対応したのでレシーバーを収納する場所や電源スイッチが追加されているところが特徴だろう。電源スイッチは電源オフ、2.4GHzワイヤレスモード、Bluetoothモードの切り替えが一つのスイッチに割り当てられている。その他プロファイル等を切り替えるボタンやマウスソールの形状はKone Proと同じだ。

つまみ持ち・つかみ持ち・かぶせ持ち

 マウスの持ち方でオーソドックスな3つと言われるかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちの3種類の持ちやすさを検証した。Kone Pro AirとKone Proの形状は同じなので無線版が欲しい人はKone Pro Airを、有線にして価格を抑えたい人はKone Proを選ぶと良いだろう。
 かぶせ持ちでは比較的大きめなエルゴノミックマウスということで非常に持ちやすい大きさ・形状をしている。マウスのくびれ具合は非常に特徴的でダイナミックだが、その形状も相まって筆者の手にはフィットした。
 つかみ持ちではマウスのくびれを活かし、親指がよくフィットするので手の少し小さい人を含め様々なユーザーにマッチしやすいと言えるだろう。
 続いてつまみ持ちではマウス自体の大きさが大きいためマウス後方に少し存在感を感じる。つまみ持ちが不可能というわけではないが手が大きい人でないと違和感を感じる持ち方となるだろう。

センサーのトラッキング精度

 マウスセンサーのトラッキング精度を測定するためにMouseTesterを使用し、センサーが正確に動作しているかをチェックする。測定感度は400/800/1600/3200dpi、ポーリングレートは1000Hzである。

 個体差もあるだろうが、以前紹介した有線版のKone Proよりも若干センサーの正確性に欠ける結果となった。Kone Pro Airはワイヤレスのため、周りのノイズにも左右されることやレシーバーとの距離もマウスのトラッキング性能にかかわってくるので正確性をとことん追求したいのであればKone Proシリーズに至っては有線版を選択した方が良いだろう。

ライティング

 マウスのライティング箇所もKone Proと同じだ。ハニカムが透けるような光り方でメインボタンの先端がそれぞれ光るようになっている。ただしKone Pro Airは無線マウスであるためバッテリーの持続時間の関係からマウスを動かさずにおいておくとライティングがオフになるようにも設定することが可能だ。

制御ソフトウェアROCCAT Swarm

Kone Pro AirもROCCAT Swarmで制御することが可能だ。

 数多くある設定項目の中からよく使う機能をピン止めいておくことができるのもROCCAT Swarmの特徴だ。

DPIやボタンの機能割り当て、ライティングの設定はKone Proを含め他のマウスと変わらない。

 Kone Pro Airの無線関係の設定等は高度な設定タブで行うことができる。バッテリーのステータスや省電力モード、省エネのためのLEDオフまでの時間はこちらで設定可能だ。レシーバーとマウスの位置が近いのであればENERGY SAVINGをオンにして電波強度を弱めることでバッテリー持続時間が長くなることだろう。ほかにもバッテリーの残り容量をタスクバーに表示させるためのSHOW STATUS AS TRAY ICONボタンなどROCCAT独自の機能が多く盛り込まれているので制御ソフトウェアのROCCAT SWARMは他のゲーミングデバイスメーカーより一歩先のソフトウェアを提供していると言っても良いのではないだろうか。

総評

 ROCCATのKoneシリーズは非常に完成度の高いマウスだ。Kone Pureシリーズは手の小さい人にピッタリのマウスだったが、今回のKone Proシリーズは手の大きい人も満足できるだろう。マウスのクオリティとしても非常に高く独特な形状をしたマウスとしても品質を考えたらKoneシリーズのようなマウスはあまりない。そういった点でも今回のKone Proシリーズは様々な人にお勧めできるマウスと言えよう。軽さと安さをとるのであればKone Pro、無線ゲーミングマウスが欲しいと思うのであればKone Pro Airを選ぶと良いだろう。