今日では2.5インチSSDよりM.2接続のSSDのほうが主流となりつつある。
NVMe接続のSSDの最大の利点は、コンパクトさと読み書きの速度だろう。

Ryzen zen2から対応したPCIe 4.0接続のSSDも多数発売されてきてはいるが、悲しいことにintel製の9世代CPUでは使えない。

今回はちょっと時代の流れには逆行するが、500GBで6,500円程度と比較的手の出しやすい価格のSSD「Lexar NM610」をレビューする。

Lexerって?

Lexarは1996年創業のメモリーメーカーだ。SSD以外にもUSBフラッシュメモリやSDカードなども製造している。もしかしたらSDカードなどで見かけたことがある人もいるかもしれない。ノーブランド品のSSDとは違い、日本支社を設立して製品を展開している。今回購入したSSDは国内正規代理店の株式会社ファストが販売していたものだ。

性能

値段が250GBで6,500程度と考えるとオーソドックスな性能だと思われる。 注意点としては250GBモデルのみシーケンシャル書き込みの速度が若干劣る。

公式情報ではないが、コントローラーはSilicon MotionのSm2263XTを使用しているようだ。さすがに新品のシールをはがして保証をなくす勇気はなかった。

ここからは実際に購入したSSDを紹介していく。今回購入したのは500GBモデルだ。

外観

梱包は一般的なSSDと大きな差はない。マニュアル等も多言語対応のものが一枚入っているだけだ。

SSD本体と多言語対応の説明書

表面にはシールが貼ってあり、その下にNANDチップが4つとコントローラーが一つ搭載されている。裏面には何もない片面実装のSSDだ。

ベンチマーク

検証環境

今回の検証には下記のPCを使って行った。なおSSDにヒートシンクは取り付けてはいないが、SSDの取り付け位置がCPUクーラーの下なので、CPUクーラーのエアフロ―の影響を受けていると思われる。

また、計測時の室内温度は約24℃、システムドライとしては利用していない。

今回はWindows10 1909を使用、OSは今まで使っていた2.5インチSSDにインストールしてある。Lexer NM610のドライブレターはEであった。

Crystal Disk Info

検証時にはヒートシンクをつけていなかったが温度は34℃程度で安定していた。続いてCrystal Disk MarkでSSDの速度をベンチマークする。

Crystal Disk Mark

シーケンシャル読み込み、書き込みともにわずかにメーカー公称値を上回った。

このSSDにはDRAMがないのでてっきりランダムアクセス性能が落ちるかと思われたが、ほぼ変わらない値となった。おそらく新品でSSDにデーターがないため、仮想SLCキャッシュが多く確保できたためであると思われる。

システムドライブとして使うと?

先ほどまではシステムドライブとしては使用していなかった。ここからはヒートシンクを装着した状態でWindowsをインストールした状態でのベンチマークした。室温は約24℃であった。

amazonのノーブランドヒートシンク。約700円
アイドル時
ベンチマーク時

PCケース内でのエアフローも少なからず影響しているだろうが、アイドル時で43℃、Crystal Disk Markでベンチマーク中であっても大体56℃前後で落ち着いていた。一般的な実用には問題ないだろう。

想定していたことではあるが、システムドライブとして使うと若干ベンチマークの値は下がった。かといって実用上では大きな問題にはならないだろう。

まとめ

今回はM.2が初めてという人にも手の出しやすいLexer NM610をレビューした。

ポテンシャルとしては値段相応なSSDといった印象であった。一般的な作業なら難なくこなせるだろう。

実際、SATA接続のSSDからNVMe接続のSSDに換装しても、ファイルのコピーなど以外はあまり体感の速度は変化しない。
しかし、M.2 SSDは配線が一切いらないのでケース内の配線を減らすことができる。

このSSDはDRAMなどを搭載していないことから巨大なゲームを早く動かしたい人はもっと別のSSDを選択してもいいかもしれない。