製品提供:Kingston Technology
Lenovoから発売されているThinkCentre M75q-1 TinyというPCはPC業界の知る人ぞ知るコストパフォーマンスに特化しすぎたといっても過言ではないほどコストパフォーマンスに優れたPCだ。Ryzen5PRO 3400GEを搭載していながらクーポンを使用すると約3万2000円で購入することができる。今回はそんなThinkCentre M75q-1 TinyをKingston製のSSD、メモリを使用してゲームがプレイできるスペックのMiniPCを作り上げる。
ThinkCentre M75q-1 Tiny 購入時のスペック
OS | Windows 10 Home |
CPU | AMD Ryzen 5 Pro 3400GE 3.30GHz |
GPU | AMD Radeon Vega 11 |
RAM | 4GB x 2 DDR4 2666MHz SODIMM |
ストレージ | 1TB HDD Seagate製5400rpm |
電源容量 | 65W |
今回購入したThinkCentre M75q-1のスペックは最低構成で上記のとおりである。約32000円という値段ながらRyzen 5 Pro 3400GEを搭載しているのである程度のマシンパワーは担保されている。最低価格で買うにはメモリは4GB x 2、もしくは8GB x 1から選ぶことができる。ストレージは128GBのM.2SSD(NVMe)か1TBのHDDを選択することになる。
吊るし状態でのゲーム性能
それではThinkCentre M75q-1 Tiny購入時の状態そのままでゲーム性能を計るためにApex Legendsをプレイする。
動画のとおりお世辞にもプレイできるほどの性能は持ち合わせていない。ストレージがHDDであるためアクセス速度の遅さ、ゲームをするには少し心もとない8GBのメモリ、そしてなによりRyzen 5 Pro 3400GEに供給する電力が足りていない。この状態ではフレームレートを確保することはできず、全くゲームを楽しめる状態ではなかった。
パーツ換装で性能向上を目指す!
吊るしの状態ではまともにゲームをプレイすることはできなかった。そこで今回はRAM、SSD、ACアダプターを変更することで快適にゲームができるMiniPCを作り上げる。
使用パーツ
RAM: Kingston HyperX Impact DDR4 2933MHz 8GB x 2
KingstonのゲーミングブランドHyperXから発売されているノートPC向けのゲーミングメモリだ。デスクトップ向けゲーミングメモリは各社出しそろえているがノートPC用のゲーミングメモリは日本で購入できるものはまだ少なく、今回のHyperX Impact DDR4を含め4種類ほどしかない。特にこのHyperX Impact DDR4はAMD Ryzen対応と公式に謳っているメモリおり、相性問題などが起こる心配は限りなく低い。動作電圧は1.2Vと低めでノートPCや今回使用するようなMiniPCであっても発熱が抑えられるように設計されている。またIntel XMPにも対応しているので最大2933MHzまで自動オーバークロックも可能となっている。
PCBの色は黒で表面に貼ってあるラベルはサーマルラベルとなっており排熱に多少ではあるが貢献している。
SSD: Kingston A2000 1TB
Kingstonから発売されているNVMe SSDであるA2000はコストパフォーマンスに優れるに優れ、発熱が抑えられているM.2 SSDだ。今回のようなMiniPCやノートパソコンではヒートシンクの取り付けはスペースの都合上不可能なので、SSDの発熱には非常に気を付ける必要がある。その点Kingston A2000は無風状態での最大温度は65℃と抑えられており熱で故障するということはおろかサーマルスロットリングも起きることはないだろう。
Kingston A2000のレビューはこちらから。
ACアダプター: Lenovo 20V/6.75A 135W ACアダプター
ThinkCentre M75q-1 Tinyには65WのACアダプターが付属しているが、Ryzen 5 Pro 3400 GEで使用するには電力が不足してしまう。そこでLenovo公式ストアやAmazonにて販売されている135WのACアダプターを使用して電力不足を解消する。
135W ACアダプターは65W ACアダプターと比べると約2倍の大きさだ。
ちなみにAmazonでは非純正の135W ACアダプターも扱っているが、性能を十分に発揮できないので純正品を使用することを強くお勧めする。
パーツの組み込み
それでは実際にパーツを組み込んで性能向上を図る。
Thinkcentre m75q-1 tinyは非常に小さく、成人男性が片手を広げた程度しかない。
背面のねじを緩め、前面のカバーを外すと上部にCPUのヒートシンクとファンが見える。下にはSeagate製の1TB HDDがある。
前面パネルがロックになっており外すことで裏側にアクセスできるようになる。上にM.2SSD、下にはメモリスロットが2基搭載されている。
M.2スロットにKingston A2000を、メモリスロットには最初に取り付けられていた4GB x 2のメモリを外し、HyperX Impact DDR4 2933MHz 8GB x 2を取り付けた。
M.2 SSDにOSをインストールするのでUSBメモリからOSを再インストールした。
換装後の性能検証
ゲーム性能
吊るしの状態でApexz Legendsをプレイしたが、まともにプレイできるような状態ではなかった。メモリの増設、ストレージのSSD化、電源容量を増加させたことでどれほどの恩恵があるのだろうか。
動画のとおりフレームレートは60fps前後を推移しており144fpsで快適にプレイとまではいかないもののMiniPCでここまでの性能を引き出すことができるようになった。ひたむきに勝利を求めてプレイするのであれば性能不足だが仲間内で遊ぶ場合や気軽に遊ぶには十分だろう。
続いてはフォートナイトをプレイする。プレイスキルが足りずに序盤で倒されてしまったがフォートナイトでも安定動作をしている。
Apex Legendsやフォートナイトで安定動作をしているのでValorantやPUBG LITEなどでもきちんと動作することが見込めるだろう。ちょこっとゲームを楽しみたいといった人には良いだろう。
おなじみのFF XVベンチマークでは最軽量品質であれば評価は普通といったところだ。FF XVをMiniPCでプレイするのは難しいだろう。FF XVをプレイするには最低でもASRockのDeskMini GTX、欲を言えばMSIのTridentシリーズがベストだろう。
総評
MiniPCでゲームをするためにThinkCentre M75q-1 Tinyをカスタムするということは選択肢として非常に賢い手段のうちの1つだと考える。特に部屋に大きなPCを置くスペースを確保できない人、可能な限りコストを削減したい人にとってはこんかいのカスタマイズを施したThinkCentre M75q-1 Tinyを使用するというのは非常に良い選択だ。今回紹介したKingston製のメモリはMiniPC以外にノートパソコンのメモリ増設や交換、SSDはMiniPC、ノートPC、デスクトップPCのストレージ増設にも使用できる。メモリは性能重視、SSDはコストパフォーマンスを重視しているので用途にあえば素晴らしいPCライフを実現できるだろう。今回はThinkCentre M75q-1 Tinyのカスタムを行ったがカスタマイズ可能なPCは多く世に出ているので是非メモリ換装、SSD増設などで良い環境を作り上げてほしい。