先日国内リリースされた軽量版PUBG「PUBG LITE」は、ゲームのシステムはそのまま、低スペックPCやモバイルノートPCでも快適に動作するようにグラフィックなどを調整したバージョンだ。
PCでPUBGをやりたいが、ゲーミングPCを買うだけのお金がない…そんな方はこのPUBG LITEのリリースを待ち望んでいたことだろう。

では、実際に低スペックPCでPUBG LITEはどのくらい快適に動作するのだろうか?本記事では、新品5万円以下で自作できる「ローエンド構成」を使用してfps検証を行う。

PUBG LITEの要求スペック

最低動作環境

  • OS:Windows 7,8,10, 64bit
  • CPU:Core i3 2.4GHz
  • RAM:4GB
  • GPU:DirectX11 Intel HD Graphics 4000
  • HDD:4GB

推奨動作環境

  • OS:Windows 7,8,10, 64bit
  • CPU:Core i7 2.7GHz
  • RAM:8GB
  • GPU:DirectX11 NVIDA GeForce GTX660 / AMD Radeon HD 7870
  • HDD:4GB

検証環境

今回は、現在5,000円前後(税別)で購入可能な2コア4スレッドのAMD APU「Athlon 200GE」を使用する。
GPUはCPUに内蔵されている「Radeon Vega 3」。Ryzen APUの内蔵GPUと比較しても一段と低い性能で、第9世代 Intel Core iシリーズのそれと同程度だ。
メモリはDDR4-2666のスタンダードなものを使用する。
読み込みの面でボトルネックが発生しないよう、ストレージにはミドルスペックのSATA SSDを採用。
チューニングは一切行わず、全てデフォルトの状態で検証する。

ちなみに、今回検証に使用した構成の一部を変更し、正規品のWindows 10込みで5万円に収めた構成はこちら

最低動作環境は余裕で満たしているものの、推奨動作環境には遠く及ばないこの構成だが、果たしてどの程度遊ぶことができるのだろうか。

設定別FPS

fps測定は以下の4通りの設定にて行った。推奨動作環境に遠く及ばない構成のため、高設定や最高設定などでの計測は行っていない(カクカクになるのが目に見えているからだ)。
なお、解像度は全てフルHD(1920×1080ドット)。

検証は
・屋外を走り回る
・屋内でアイテムを物色
・建物の多い場所で戦闘
これらをそれぞれ一定時間行った。

最低設定

全て「非常に低い」に設定し、光源もオフ。レンダリングスケールも最低の70にした。究極に負荷が軽く、究極に画質が悪い設定。

カスタム

アンチエイリアシング・テクスチャ・描画距離は中に、その他は最低に設定。光源はオン。レンダリングスケールは90に設定し、ある程度の見やすさとfpsを確保できるような設定にしてみた。

低設定

全て「低い」に設定し、光源はオン。レンダリングスケールは90で、「まあまともに戦えるかな」といった印象の設定。

中設定

全て「中」に設定し、光源はオン。レンダリングスケールは100に設定。かなり綺麗になった、その分負荷も増えた。

結果はご覧の通りだ。

まず最低設定だが、こちらは最低でも60fpsを割らず、常に快適にプレイできた。しかし、画質が非常に悪いおかげで遠くにいる敵を発見できなかったりと、ゲームプレイに支障が出てしまう。プレイこそできるものの、現実的ではない。

次にカスタムと低設定。これらの設定では、平均fpsは60を下回るものの普通にプレイできるレベルで、グラフィックも最低設定とは比べ物にならないほど向上している。この構成でPUBG LITEをプレイするならこのあたりの設定がよさそうだ。

最後に中設定。平均は30fpsを下回る28fpsで、とてもプレイどころではない。カスタムや低設定よりもグラフィックは鮮明になり、遠くの敵もより見つけやすくはなったが、このfpsではまともにプレイすることは難しいだろう。

また、これらはあくまで走ったり、戦闘をしている時の話だ。
筆者はバイクで爆走中に壁に激突したのだが、その際に煙のエフェクトが出た。これが非常に重く、カスタム設定でも40fpsを割ってしまったのだ。勝ち負けに直接繋がることは少ないかもしれないが、いかなる場面でも60fps以上を保ちたいという場合はこの構成でのプレイはおすすめできない。

まとめ

結論としては、AMD Athlon 200GEでPUBG LITEは

「設定次第ではプレイ可能」

だ。そこそこの画質で60fps安定とはいかないが、エンジョイ勢なら楽しく遊べるだろう。腕のあるプレイヤーなら普通にドン勝も狙えそうだ。
ただし、暴走バイクに乗って壁に激突するとfpsがガタ落ちする点については十分に注意していただきたい。

+7000円前後で、4コア4スレッド・Radeon Vega 8 (推奨動作環境にだいぶ近くなる)の「AMD Ryzen 3 3200G」にアップグレードできるので、お金に余裕がある場合はそちらにするのがおすすめだ。その他の構成を変えずとも、そこそこの画質設定で60fps安定が狙えるだろう。