9月2日午前1時(日本時間)、NVIDIAから新たにRTX3000シリーズが発表された。RTX2000シリーズが発売されたのが2018年なので2年ぶりの新アーキテクチャとなる。今回発表されたRTX3000シリーズはどのようなモデルがあるのか、スペックとRTX2000シリーズと変更点の比較をまとめた。
今回発表されたモデルは以下の通りである。
- Geforce RTX 3090
- Geforce RTX 3080
- Geforce RTX 3070
スペック表
RTX 3090 | RTX 3080 | RTX 3070 | RTX 2080 Ti | |
世代 | Ampere | Ampere | Ampere | Turing |
プロセス | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm |
ブーストクロック | 1695MHz | 1710MHz | 1730MHz | 1545MHz |
シェーダー数 | 10496 | 8704 | 5888 | 4352 |
メモリ規格 | GDDR6X (PAM4) | GDDR6X (PAM4) | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 384bit | 320bit | 256bit | 352bit |
メモリ容量 | 24GB | 10GB | 8GB | 11GB |
TDP | 350W | 320W | 220W | 250W |
発売予定日 | 2020/9/24 | 2020/9/17 | 2020/10 | |
発売価格 | $1499 | $699 | $499 | $1200 |
フレームレートあたりの電力効率もTuring世代に比べて1.9倍と大きく差がついている。
RTX3090、RTX3080に関してはメモリ規格がGDDR6からGDDR6Xへと変更されておりMicronと世界初のPAM4シグナリングメモリを開発した。今までが0,1の1ビットのデータをエンコードしていたがPAM4では00,01,10,11の4つの電圧レベルで2ビットのデータをエンコードする。なお各電圧のステップは250mVである。よってGDDR6XではGDDR6に比べて約2倍のデータを転送することができる。
Ampere世代では冷却設計にフルースルーを採用した。基本的には外排気のようなエアフローだがPC前側のファンは温風を上に出すためサイドフロータイプの空冷CPUクーラーを使用した場合には影響が出てしまうのではないかとも感じる。3080の冷却設計は従来よりも3倍静かでTuring世代と比較すると20度冷却効率が向上した。
画面出力には新たにHDMI2.1端子が採用されており、PCとの接続はPCIe4.0 x 16を採用した。
GeForce RTX3090
今回発表されたAmpere世代のグラフィックスカードの中で最高の性能を誇るRTX3090。大きさも非常に大きく3スロット分の厚みがある。VRAMはTuring世代の TITAN RTX同様24GB搭載している。36 Shader-TFLOPS、69 RT-TFLOPS、 285 Tensor-TFLOPSとレイトレーシング性能が大きく向上している。冷却性能もTITAN RTXより10倍の静音性、GPUコア温度は30度低くなっている。また3090は8K 60FPSでのゲームプレイも可能となる。補助電源は8pin x 2と意外にも控えめである。
GeForce RTX3080
Ampere世代のフラッグシップモデルとなるRTX3080。前作のRTX2080の半額ほどで2倍の性能を誇る。VRAMはGDDR6X規格のものを10GB搭載しておりRTX2080の2倍の処理能力を誇る。サイズは2スロットで補助電源は8pin x 2。RTX3080のみ発売日を正確に明示しており2020年9月17日に発売される。
GeForce RTX3070
どの世代でも人気のあった70シリーズのAmpere世代 3070はTuring世代のエンスージアスト向けGPU RTX2080Tiよりも高速となった。レイトレーシング性能はRTX3080の2/3ほどであるがそれでも十分すぎる性能だ。メモリはRTX3090、RTX3080とは違いGDDR6であるがRTX2080Tiよりも高速であると言われている。サイズは2スロットで補助電源は8pin x 1。2020年10月に$499で発売される。
レイトレーシング機能が向上
RTX第1世代であったTuring世代よりもレイトレーシング機能が大幅に向上しており第2世代であるAmpere世代ではシェーダー性能で2.7倍、RTコア性能で1.7倍、Tensorコア性能で2.7倍の性能向上を果たしている。
価格と性能の比較表ではRTX3080が頭一つとびぬけている。RTX3070はFASTER THAN 2080Tiと書かれておりコストパフォーマンスの良さがうかがえる。
ゲーム等の性能比較ではAmpere世代の性能の高さがうかがえる。
筆者の個人的まとめ
今回のAmpere世代RTX3000番代のグラフィックスカードは非常に興味深い。深夜1時という遅い時間ではあったがこの発表は大いに見る価値があった。今回はリーク情報もあまり出回らずどのような製品が発表されるのか不安もあったが良い意味で期待を裏切る結果となった。特にRTX3070はRTX2080Tiよりも性能が良いと言われているのでRTX2070Superを使用している人は買い替えを検討してもよいのではないだろうか。もちろんRTX3080や3090の性能も目を見張るものがある。Pascal世代でNVIDIAのグラフィックスカードは大きく進化したが今回のAmpere世代でも大きな進化を遂げた。ここ数年ではGPUがボトルネックになるようなゲームが多かったので今回のAmpere世代では大幅に改善されると予想される。