製品提供:株式会社Scythe
『虎徹のトップフロー版』というコンセプトで開発された大型クーラー「超天」をレビューする。「虎徹 MarkⅡ」と同じファンを採用し6mm径ヒートパイプ4本の構造など虎徹に近いスペックに見えるが、コンセプトからも分かる通りクーラー本体の上面からマザーボード方向へ風を当てることができる為、VRM周り等の冷却も可能になっている。
スペック
型番 | SCCT-1000 |
JAN | 4571225056524 |
サイズ | 130(W )× 120(H) × 130(D) mm(搭載ファン含む) 120 × 120 × 厚さ25 mm (搭載ファン) |
ファン回転数 (PWM可変) | 300(±200)~ 1200 rpm(±10%) |
ノイズ | 4.0 ~ 24.9 dBA |
風量 | 16.6 ~ 51.17 CFM |
静圧 | 0.75 ~ 10.3 Pa / 0.00762 ~ 1.05 mmH2O |
対応CPU | Intel 775 / 1151 / 1150 / 1155 / 1156 / 1366 AMD AM2 / AM2+ / AM3 / AM3+ / FM1 / FM2 / FM2+ / AM4 |
ヒートパイプ | 6 mm径 × 4本(ニッケルメッキ処理済み) |
重量 | 550 g(付属ファン含む) |
付属品 | グリス・図解入り多言語マニュアル (日本語含む) |
パッケージサイズ | 175(W) × 190(H) × 145(D) mm |
パッケージ重量 | 790 g |
外観・パッケージ
パッケージは白を基調としたシンプルなデザインだ。箱の大きさもそれほど大きくなくコンパクトにまとめられている。
製品・付属品
トップフロー型で高さも120mmと抑えてありサイドパネルの影響によるエアフローの低下を抑えている 。ミドルレンジでは「虎徹 MarkⅡ」と同じ立ち位置だが超天はボード周辺の冷却行うため上手く住み分けが出来てそうだ。
4本のニッケルめっき加工が施されたヒートパイプ。酸化を抑えるだけでなく見た目に高級感を与えている。
CPUファンは「KAZE FLEX」が使用されている。四方に防振ゴムが取り付けられており、共振よるビビリやノイズを抑えることができる。また、軸受けには長寿命(MTTF:25℃ 120,000時間) かつ静粛性に優れた高密度密閉型(Sealed Precision) FDBを採用しており、静音性を保ちつつ長期運用も期待できる。
48枚のアルミニウム製フィンでできたヒートシンク。フィンピッチは狭くないがその分風通しが良く、ボード周辺の冷却もスムーズに行えるだろう。ファンの設置場所も段差があるためわかりやすく、加えて安定した設置が可能だ。
intel・AMDの両方のソケットに対応している。Intelソケットはプッシュピン式を採用。AMDソケットはフック式を採用。グリスはシリンジに入っているタイプではなく使い切りタイプ。
負荷テスト
CPU | CPU Ryzen 5 3600 |
M/B | GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI [Rev.1.0] |
CPUクーラー | 超天 |
メモリ | F4-3600C19D-32GSXWB (DDR4 PC4-28800 3600MHz 16GB×2) |
ビデオカード | Sapphire Radeon RX570 Pulse |
システム用ストレージ | INTEL 760p 256GB |
OS | Windows 10 Pro |
電源ユニット | FSP HGE750 |
CPUグリスは新和産業のSMZ-01Rを使用。Prime95を30分間動作させCPU温度をHWiNFOからデータを計測した。動作環境は気温23.2℃の環境下で行っている。
ベンチマーク中多くは70℃代後半~80℃付近を推移していて、最大温度は82℃とやや高いがミドルレンジのCPUを冷やすには十分な性能だろう。1200RPMのファンを使用しているため最大回転でも音がさほど気にならない。PBOなどで高クロックを維持したい場合は、高回転・ 高静圧ファンを交換するなどで対応するといいだろう。またより高い冷却性能を求める場合、サイドフローであればコストパフォーマンスに優れた「MUGEN5 Rev.B」もおすすめだ。
総評
プラスポイント
- 高さ120mmと低めでケースを選択の幅が広い
- オフセットされたヒートシンク構造によりメモリの干渉を防いでいる
- 6mm径の銅製ヒートパイプ4本
- 酸化を防止する高級感溢れる「ニッケルメッキ処理」
- 長寿命な高密度密閉型FDBを採用した「KAZE FLEX」
- ボード周辺の冷却に有利なトップフロー式のエアフロー構造
マイナスポイント
- ケース内部の排気能力が低いと性能をが落ちやすい
近年では多コア化が進みミドルレンジのCore i5やRyzen 5などで6コア積んでいる時代になっている。今回検証に使用した「Ryzen 5 3600」も「Wraith Stealth」が付属しているが冷却能力としてはいまいちで、音もそれなりに気になるため「超天」は付属CPUからのステップアップに丁度いい。値段も手ごろで4000円以下(3/17日現在)ので購入できるため、付属クーラーで騒音や温度が気になるユーザーは検討するといいだろう。