製品提供:SIMGOT JAPAN

中華オーディオブランド「SIMGOT」のコストパフォーマンス重視モデル、 MEETURE MT3PROが2020年2月1日に日本で発売された。ハイレゾに対応しながらも8000円を切る値段と非常に手を出しやすい価格が魅力的だ。中国企業には安かろう、悪かろうといった印象が多いとは思うが、今回紹介するSIMGOTというブランドは果たしてどうなのだろうか。厳しい目で追及したいと思う。

スペック

ドライバー 10mm高磁気複合ダイナミックドライバー
振膜 高分子複合チタン振動膜
再生周波帯域 15Hz-40kHz
音圧感度 ≥108dB (at 1000Hz)
インピーダンス18Ω
音圧感度誤差 <1%  108dB (20μpa)
左右音圧感度誤差 <1.5dB (at 1000Hz)
定格電力10mW

開封

それではSIMGOT MEETURE MT3PROの開封を行う。

白を基調とした質感の良い紙製の箱に MEETURE MT3PROは収められている。箱は小ぶりだが高さは意外にも厚く、内容物の充実さが期待できる。

背面はパッケージ表面と違い赤を使った少し主張のあるデザインとなっている。
シリアル番号は876154の後が削らないと見れないようになっており、手が込んでいる。

箱を開けるとすぐにイヤホン本体が登場する。イヤホン本体と比較すると箱の大きさを意外にも感じ、高級感が漂っている。

さらに下に箱を開いていくと内部で2つに分かれている。

上部の箱には巾着袋が入れられており、中にはイヤーピースが3×2セット入れられていた。

入っていたイヤーチップは2種類、3サイズ入れられており、 中高域寄りのタイプIと低域増強型のタイプII がある。好みに合わせて使用するできるのはプラスポイントだ。

下の小さい方の箱にはケーブルが収められていた。MEETURE MT3PROはリケーブル可能なイヤホンなので好みに合わせて規格に合う社外品のケーブルを使用することも可能だ。

その他、説明書と保証に必要なカードが同封されていた。

外観

それではSIMGOT MEETURE MT3PROの外観を見ていこう。

写真のように発泡性の板に埋め込まれているMEETURE MT3PRO本体を取り出す。

今回のMT3PROはクリアバージョンのものだが、カラーバリエーションは4色展開されており、好みに合わせて色を選ぶことが可能だ。

左から、ピンク、ブラック、クリアー、グリーンと4色展開されているが、すべてスケルトン仕様となっている。

搭載されたダイナミックドライバーが確認でき、機械好きは興味をそそられるだろう。低価格のイヤホンなのでクオリティを求めるのは少々お門違いかもしれないが、きれいに成型されており、見た目の満足度も非常に高い。

リケーブル可能なMEETURE MT3PROだが、ケーブルとの接続部は0.78mmの2pinとなっている。0.78mm2pinケーブルは筆者個人的に折ってしまいそうという不安があるが、このMEETURE MT3PROには端子保護がきちんとされているためそういった心配がない。

ケーブルの素材は高純度無酸素銅線と銀メッキ銅線の4本混合編線となっており、音の透明感や分離、音場感の向上を狙っている。

ケーブルはシュア掛けのタイプで少々Rがきつめとなっている。筆者はつけ始めた当初3時間ほどで耳に痛みを感じていたが、1週間ほどで完全に慣れて5時間以上装着していても痛みを感じることはなくなった。

端子は金メッキが施されており、音質の劣化を防いでいる。また、ボディーは金属製で耐久性、高級感の向上に一役買っている。
ボディーとケーブルの接合部にはやわらかいプラスチック製のカバーが装着されており、ケーブルの断線を予防している。

音質

イヤホンが届き、開封直後の音は高音のざらつきがあるように感じた。50時間ほどエージングを行うと粗さ、ざらつき感がなくなった。

MEETURE MT3PROの音質を一言で表すと高音を控え気味にした中音域ベースのイヤホンといった印象だ。イヤーチップを中高域寄りのタイプI にすると高音は非常にきらびやかになる。

筆者はよくクラシック音楽を聴くのだが、このSIMGOT MEETURE MT3PROは楽器の特性一つ一つをきれいに表現することができている。ピアノなど、メーカーによって特色がはっきりと出る楽器に関しては想像以上に個性を出してくれると感じた。
オーケストラなど多くの楽器を使用する音楽では音の分離がきちんとされていて個々の音を聞きやすいと感じた。音楽を専攻している人はアナリーゼなどを非常にしやすいイヤホンなのではないだろうか。
一方で低音域は少しパワーが足りない印象があった。
ベースの音やオーケストラの低音部などの音は少し足りていないが、付属のイヤーチップタイプIIを使用すれば特に問題はないだろう。聞く音楽にもよるがバランスを重視している分、低音域の圧が弱いのかもしれない。バランスを重視して評価するのであれば非常によくできたイヤホンである。

総評

SIMGOT MEETURE MT3PROは7800円で買えるとは思えない音質を持ったイヤホンであった。外出先など高価なイヤホンを使用することがためらわれる状況での使用には非常に最適だ。音のバランスの良さなどを鑑みると万人ウケするだろう。非常に価格を抑えられたイヤホンなので手を出してみてはいかがだろうか。

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