4月上旬よりWestern Digitalから 安価なエントリー向け NVMe SSD 「WD Blue SN500」 が発売された。今回はそれをレビューしていく。なお価格はオープンプライスとのことだ。
PCIe SSDと言えば、つい最近PCIe4.0×4タイプが各社から発表された。一般的にPCIe接続のSSDというとPCIe3.0×4接続のものを思い浮かべる者が多いと思う。しかしこのSSDはPCIe3.0×2接続でDRAMキャッシュ非搭載なこともあり速度を犠牲にするかわりに低価格、低発熱を実現している。
ラインナップは250GB版と500GB版の二種類があり、それぞれ読み込み速度は同じ1700MB/sだが書き込み速度とTBWに若干の違いがある。
容量 | 250GB | 500GB |
インターフェイス | PCIe3.0×2 | PCIe3.0×2 |
フラッシュタイプ | 東芝 BiCS3 64層 3D TLC NAND | 東芝 BiCS3 64層 3D TLC NAND |
読み込み速度 | 1700MB/s | 1700MB/s |
書き込み速度 | 1300MB/s | 1450MB/s |
ランダム読み込み 最大速度(IOPS) | 210,000 | 275,000 |
ランダム書き込み 最大速度(IOPS) | 170,000 | 300,000 |
TBW | 150TBW | 300TBW |
外観レビュー
今回購入したのは250GB版だ。
これだけの部品数だけでSSDとして使えるのは技術の進歩ということだろう。
そして端子部分を見てもらえたらわかると思うがこのNVMe SSD一般的なPCIe接続のM.2に採用されているKeyMタイプではなく、SATAタイプのM.2と同じKeyB+Mとなっている。
実際に動作させてみた
なお動作検証に使用したPCのスペックとコンディションは以下の通りだ。
パーツ | 製品名 |
CPU | AMD Ryzen 5 1500X |
CPU クーラー | Scythe 虎徹 MarkⅡ |
マザー ボード | ASRock B450M Steel Legend |
メモリ | UMAX DDR4-2400 4*4=16GB |
グラフィック ボード | NVIDIA Geforce GTX1070 FE |
サウンド カード | Creative Sound Blaster X-Fi Professional Audio Titanium |
システム ストレージ | WD Blue SN500 250GB (ヒートシンクを装着済み) |
電源 | NZXT E650 |
ケース | Corsair Crystal 280X |
OS | Windows10 Pro 64bit |
- 室温は28℃前後、湿度は約40%
- 差し込んだ場所はCPUクーラーとグラボの間
- 今回検証するSN500をマザーボードのM.2スロットの関係上*¹システムストレージとして使用している
今回検証に使うソフトはCrystal Disk MarkとCrystal Disk Infoだ。
Crystal Disk Infoの温度表示で赤表示になることはなく、ベンチマークを回しても概ね47℃~52℃に収まり、2GiB(約2GB)以上のファイルの読み書きはSLCキャッシュ容量を超えるため速度低下が起こってしまうがそれでもSATA SSD以上の速度は維持できることが分かった。
まとめ
良い点
- 低発熱かつ安価でSATA SSD以上の速度を求める人にGood
- キャッシュ切れを起こしてもSATA SSD以上の速度は維持される
注意しておかなければならない点
- 帯域幅がPCIe3.0×2のためシーケンシャル読み込み1700MB/s、書き込み1450MB/s (500GBモデル)、1300MB/s (250GBモデル)しか出ない
- 250GBの場合約2GB以上のファイルの読み書きを行うと、SLCキャッシュ容量オーバーによって書き込み速度が670MB/s近くまで落ちてしまう
安価で低発熱、 SATA SSDより速い速度を求めている方には是非お勧めしたいNVMe SSDだ。
~注釈~
*¹ASRock B450M Steel LegendにはM.2スロットが二つ付いてるがPCIe3.0×2に対応したスロットがCPU直下のスロットのみなため