”eスポーツ”が認知されてきた今、世は配信ブームが巻き起こりVtuberやストリーマーによるゲーム配信が増えている。
私も時代の波に乗りたい!配信を始めてみたい!
そういう方々のために、今回は4Chunksメンバーがこだわりにこだわりぬいた、配信するならこの構成!といえるPC構成を紹介していこうと思う。

まず配信にとって問題視されることは大きく分けて2つある。機材の安定性、ノイズだ。接続している機器やPC本体が安定して動作しないと配信そのものが不安定になってしまい高品質な配信はできないだろう。もちろん配信をしない環境でもPCの安定動作は必要不可欠だが、配信をするとなると普段よりも高負荷になることは明白だ。またノイズでは音に関するノイズと電気信号によるノイズの2種類を極力減らすことを求められる。今回は安定性と2種類のノイズを減らすことに重点を置いたPC構成を提案する。

パーツ選びのコツ

CPU

PCの中心パーツとなるCPU。現在AMDとIntelがしのぎを削ってどちらも良い製品が出されているが、今回の構成ではIntel製CPUを推奨する。理由としてはマザーボードの部分にて後述する。

CPUクーラー

CPUクーラーにはファンが取り付けられているものがほとんどなため、ノイズが発生しやすい部品の一つとして考えられる。なるべく静音かつCPUをきちんと冷やせるものを選ぶ必要がある。

マザーボード

IntelのCPUを選んだ理由はここに出てくる。キャプチャーボードなどを使用する際、AMD環境では配信用PCを組み上げる場合、不安定になる可能性が高くなってしまうからだ。理由としてはUSBコントローラーの影響が大きい。キャプチャーボード等特殊な製品はIntel製USBコントローラーでなければ正常に動作しないということも少なくない。また、廉価帯のマザーボードであればUSBの電圧にブレが生じるものも存在するのでマザーボードのUSBによって配信品質に大きな影響が出てしまうため、安定性・ノイズ対策が最も顕著に出るパーツのうちの一つと考えても良いだろう。機能が多いもの、価格が高いものが必ずしも良いといったわけではなく、安定性が高い・ノイズが少ないものを選ぶと良い。
OC向けマザーボードなど非常に性能が良く高品質なものもあるが、ノイズが出やすいなどの欠点もある。

メモリー

配信時にはゲーム、配信ソフトを起動しているためメモリーの容量は多めに取っておくことが得策だ。メモリーも安定性が高い製品とそうでないものがあるのでよく確認する必要がある。通常用途ではメモリ容量を16GBにする人が多いと思うが、最近の重量級ゲームと配信ソフトウェアを同時起動するとメモリ容量が枯渇することも考えられるため、予算に余裕があれば32GB搭載することをお勧めする。

グラフィックスカード

配信+ゲームも同じパソコンで行うと考えるなら現時点の重量級タイトルもそれなりの設定でフレームレートが安定し、且つnewNVEncに対応しているものを選ぶとするならばRTX 2070 Super以上を推奨したい。設定を下げればもっと廉価なグラボでも…という意見が出ると思うが、今回は完ぺきな配信を目指すということでNVIDIA GeForce RTX2070 Superを搭載したグラフィックスカードをおすすめする。

ストレージ

配信に直接は関係しないパーツではあるが、大切なデータを保管する場所だ。ソフトウェアの安定動作にも関わってくるため”それなり”のSSDを用意する必要があるだろう。

電源

どのような用途であっても電源は良いものを積んでおくことをお勧めする。電源の保護機能が優れていれば優れているほど電源が壊れた場合に他のパーツを巻き込んで壊れることが少なくなるからだ。値段だけで判断せずに性能を鑑みて選ぶ必要がある。

ケース

大きく、静音性の高いケースをお勧めする。PCのノイズを少なくするには大きなケースにスカスカな状態を作ることがノイズ対策に大きく貢献する。小さいケースに高性能パーツをギチギチに詰め込むことにロマンを感じる人も多いとは思うがノイズ対策を鑑みるとあまりお勧めはできない。

構成例

CPU

Intel Core i7 9700K

CPUはPCの性能に直結するパーツの一つであるため、ある程度の性能を求められる。今回はIntelCPUを選んだのでCore i7 9700Kをチョイスした。一つ下のモデルでも配信はできるが万全の体制を作るのであればCore i7 9700K以上が良いだろう。

2. Intel Core i9 9900K

予算に余裕があればIntel Core i9 9900Kを選ぶと良いだろう。Core i7 9700Kは8コア8スレッドであるのに対し、Core i9 9900Kは8コア16スレッドとハイパースレッディングテクノロジーが搭載されている。i7 9700Kであってもパフォーマンスは十分高いため、優先度的にはメモリを32GBにすることが先決だろう。

CPUクーラー

Noctua NH-U12A

冷える、静かで定評のあるNoctuaのCPUクーラーを選ぶと間違いはないのではないだろうか。空冷CPUクーラーとしては少々高めの値段設定ではあるがよく冷えて静かなCPUクーラーだ。CPU温度次第では付属のLow-Noise Adaptorを使用してファンの回転数を抑えることで更なる静音性を求めることも可能だ。

マザーボード

1. ASUS TUF Z390-PLUS GAMING

ASUS TUF GAMINGシリーズのマザーボードは部品点数を少なくすることで故障する可能性のあるパーツを減らすという手法をとった高耐久マザーボードだ。また、チョークコイルやコンデンサーなどに高耐久なものを使用しているため非常に頑丈なつくりとなっている。
配信用PCとして重要なノイズ対策の面では実装部品が少ないことからノイズが発生しづらいつくりになっているだろう。

2. ASRock Z390 Steel Legend

Z390 Steel Legendも高耐久を謳っているマザーボードだ。こちらも実装部品を高耐久なものにし、部品点数を減らしているため、ノイズ対策の面では非常に優秀なマザーボードであろう。また、Z390 Steel LegendではUltara USB Powerといわれるシステムを搭載したUSBが採用されており、マザーボード上の12V電源から5Vに降圧した電源を使用することで電圧の振れ幅を抑えている。USBの安定性を考えるのであれば12Vラインから5Vを作り出すことは非常に合理的であり、キャプチャーボード・USB-DACなどを接続した場合に故障率の低減・音質や画質の向上に寄与する。

メモリー

1.Crucial W4U2666CM

定番のCrucial緑メモリー。Micronチップを採用しており、相性問題が起きにくいことで定評がある。このメモリーを選べばメモリーが原因の問題は起きないといっても過言ではないだろう。値段もリーズナブルで手が出しやすく非常に優秀なメモリーである。8GB × 2枚でも配信は可能であるが、16GB × 2枚の構成で32GBの容量があるとメモリー不足による配信不安定といった現象が起きないため予算に余裕があれば32GB搭載することをお勧めする。

2. CENTURY MICRO CK16GX2-D4U2666

完ぺきをもとめるのであればこのメモリーを選ぶと良いだろう。非常に高価なメモリーだが国産メーカーのセンチュリーマイクロは非常に高品質なメモリーを生産していることで有名だ。先述のCrucial W4U2666CMと価格差は倍近くになってしまうが信頼性に関してはピカイチだ。

グラフィックスカード

GIGABYTE GV-N207SGAMING OC-8GD (Geforce RTX2070Super)

各社GeForce RTX 2070 Superを出しているが、今回は値段と性能のバランスをみてGIGABYTEのGeForce RTX2070 SUPER GAMING 3X OC 8Gを選んだ。GIGABYTEのグラフィックスカードは代理店保証のほかに2年間の代理店保証がある点も非常に評価が高い。

ストレージ(SSD)

Samsung 970 EVO Plus

Samsungの970 Evo Plusは非常に優秀なNVMeSSDだ。Read Writeともに非常に速くSamsung製のNANDの信頼性も高い。配信のみであれば500GBのみで十分だと思われるが、録画や動画制作もするとなるとデータ用ドライブを用意する必要が出てくるだろう。今回のIntel環境ではGen4 SSDは使用できないためこの970 Evo Plusが最速のSSDとなる。価格こそは高いが非常に満足感のあるSSDだ。

電源

1. ANTEC NeoECO Gold NE750G

Antec製の高コストパフォーマンス電源かつ、非常に信頼性の高い電源としても定評がある。すべてのコンデンサーに日本製コンデンサーを使用し、搭載されているファンは静音ファンとノイズ対策も完ぺきではないものの考えられている。セミファンレスではないところ、フルモジュラーケーブルではないところが惜しいポイントだが非常によくできた電源である。

2. FSP Hydro GE 750W

FSPから発売されているミドルレンジの電源であるHydro GEシリーズ。こちらはセミファンレス機能を搭載しており30%以下の負荷であればファンの回転数が0となる。また非対称デザインの通気孔を採用し騒音対策にも力を入れている電源だ。この電源は以前4Chunksにてレビューしているのでそちらを参照してほしい。

3.Seasonic SSR-750FX FOCUS PLUS Gold

言わずもがな高耐久 高信頼性 高性能でよく知られているSeasonic製電源。ファンレス動作ももちろん可能で製品保証年数も10年と非常に長い。筆者自身もこの電源を所有しているが非常に満足感が高い。迷ったらとりあえずSeasonicを選んでおけば間違いないといった製品である。

ケース

1.ANTEC P101 Silent

ANTEC製の静音ケースであるP101 Silent、先述した通り配信用PCは大きいケースにスカスカな構成であるほうがノイズ対策には良い。このP101 Silentはフロントドアと二層構造の遮音パネルでファンノイズを減衰し、配信時の騒音レベルを下げることが期待できる。

2. Fractal Design Define 7

2020年3月に発売された非常に新しいケース。静音ケースとしてDefineシリーズの最新モデルがこのDefine 7だ。メンテナンス性も非常に高く長期的に使用する、将来的にパーツの組み換えを考えている人には良いケースだ。

まとめ

以上が配信環境を最優先に考えたPC構成だ。もちろんこのような構成でなくても配信をすることは可能だ。しかし完ぺきを求めたりより良い配信環境を作るにはこのような構成がベターなのではないだろうか。これから配信を始めようと考えている人は是非参考にしてほしい。