7月7日、AMDから第三世代Ryzenとそれに対応する新チップセット「X570」が発売され、それに合わせてAMD X570を採用したマザーボードが各社から発売されたた。
X570は新しくPCI-Express 4.0に対応したほか、前世代のX470と比較して非常に高い拡張性が特徴だ。どのX570マザーボードを見ても大変完成度が高くなっており、各社の力の入れっぷりがうかがえる。

しかし、X570マザーボードは他のメインストリームチップセット(Intel Z390など)と比較しても「高価だ」といわれている。AMDによればB550は投入されないとのこと (リークはでているものの少なくとも年内には出ないよう) なので、低価格帯は引き続きB450が担うことになる。
Ryzen 5などの低価格で高性能なCPUを使用してコストパフォーマンスに優れたPCを作るにはB450マザーボードを使うことになるが、種類が多いためどれを買えばいいのかわからないという人も多いだろう。
そんな人のために、今回から数回に分けておすすめのB450マザーボードとその特徴を紹介していく。

B450はどういう人向け?

B450は低価格だが、もちろんX570と比較して劣る部分もある。基本的に拡張性に関する部分で不満を感じる人が多いと思うのだが、

  • 拡張性を求めず、マザーボードとしての基本的な機能が揃っていればいいという人
  • NVIDIA NVLink / SLIをしない人
  • とにかく安くRyzenで組みたい人

ならB450でも十分満足できるはずだ。B450でも見た目や機能にこだわったものもあるので、好みのものを見つけてほしい。

高性能なB450マザーボード

MSI B450 GAMING PLUS MAX

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Ryzen 3000シリーズ(特に第3世代)を使う場合、まずおすすめしたいのがこの「MSI B450 GAMING PLUS MAX」だ。
Ryzen 3000シリーズ発売後の8月に登場したマザーボードのため初期BIOSからRyzen 3000シリーズに対応しており、ネットでも購入しやすい。また、第3世代 Ryzenに最適化されており、公式でDDR4-4266(OC)に対応する。電源回路はB450マザーボードとしては強力で、Ryzen 9 3900Xなどの多コアCPUを使用してもVRMが比較的熱くなりにくい
BIOS Flashback機能がついているため、BIOSの復旧が容易だ。また、CPUやメモリなしでもBIOSアップデートができる。
M.2が1スロットのみという欠点もあるが、複数枚のM.2 SSDを搭載しない場合は非常におすすめだ。

レビュー記事はこちら:

MSI B450M MORTAR MAX

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1つ上の「B450 GAMING PLUS MAX 」と同様、初期BIOSから第三世代 Ryzenに対応しているのがポイント。
電源回路はB450マザーボードとしては強力で、Ryzen 9 3900Xなどの多コアCPUを使用してもVRMが比較的熱くなりにくい
また、デュアルM.2やUSB Type-Cなど、この価格帯で一般的な機能もしっかりとついている。
さらにBIOS Flashback機能もついているため、BIOSの復旧が容易だ。また、CPUやメモリなしでもBIOSアップデートができる。
ギガビットLANこそRealtek製だが、近年はRealtek LANであってもゲームに支障が出るということはない。AM4ソケットのMicroATXマザーボードとしてはかなり強力な電源回路を持ち、拡張性も比較的充実している。MicroATXでRyzen 9を使いたい場合には、下で紹介する「TUF B450M-PRO GAMING」と併せておすすめしたい。

ASUS TUF B450-PRO GAMING

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米軍MIL規格に準拠したパーツを採用した高耐久なマザーボード、ASUS TUFシリーズ。そのB450上位モデルが「TUF B450-PRO GAMING」だ。ASRock B450 Steel Legendの対抗製品だが、電源回路やそのヒートシンク、メモリの互換性、オーディオ等様々な点でこちらのほうが上回っている。
コンデンサに関してはASRock B450 Steel Legendの方が長寿命なものを使用しているが、そもそもコンデンサが原因でマザーボードが故障した例は近年あまり聞かない。そのため、低発熱で細かい部分が高性能なこのマザーボードのほうがより実用的といえる。
高耐久かつ高性能なマザーボードを探しているならこれがおすすめだ。

レビュー記事はこちら:

ASUS TUF B450M-PRO GAMING

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「TUF B450-PRO GAMING」のMicroATXモデル。電源回路、ヒートシンクなどは変わらず、ストレージ周りの拡張性もATXモデルと同じようになっている。
ATXモデルと違うのはリアI/OのUSBだ。ATXモデルではType-AのUSB 2.0、USB 3.2 Gen1、USB 3.2 Gen2が2ポートずつとUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートが存在したが、MicroATXモデルではType-AのUSB 3.2 Gen2ポートが1つ削られている
こちらは最安9500円前後とかなり求めやすい価格になっているのでおすすめだ。

レビュー記事はこちら

安価なB450マザーボード

ASRock B450M Pro4

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ASRockの低価格帯「Pro4」はその高いコストパフォーマンスが国内外で人気のシリーズだ。
このマザーボードは低価格帯としては珍しく、M.2が2スロットもある。その分SATAが4本と少なめになってしまっているが、M.2 SSDを2本搭載して使いたいという方にはおすすめだ。ただし、下側のM.2スロットにはPCIe接続のSSDを搭載することができないため、その点は注意が必要だ。
USBまわりはこの価格帯のB450マザーボードとしては優秀で、リアI/OにはUSB 2.0からUSB 3.2 Gen2(Type-A×1、Type-C×1)まで合計8ポートを備えている。
その他、3+3フェーズの電源回路や2オンス銅箔層基板などを採用している。Ryzen 5あたりで低コストに組みたいという方は検討してみてはどうだろうか。

GIGABYTE B450M S2H

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7300円~購入可能な最安候補のマザーボード。しかしながら、(簡素ではあるが)VRMにヒートシンクがついていたり、HDMIは4K60Hz出力が可能なVer 2.0対応、全ての電源コネクタにソリッドピンを採用しているなど、機能性や耐久性に優れている。特に映像出力端子に関してはHDMI 2.0のほかにVGA、DVI-Dもあり、3画面出力(デジタルは2画面出力)に対応しており、多くのユーザーが満足できる構成となっている。
リアI/OのUSBポートは合計6ポート、ファンコネクタ数が合計2つ、その他PCIeスロット等は必要最低限といった感じだ。
APUを使ってとにかく安く組みたいが映像出力端子はしっかりほしい。そんな方にピッタリのマザーボードだ。

小型なMini-ITXマザーボード

GIGABYTE B450 I AORUS PRO WIFI

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B450のMini-ITXといえばこれに勝るものはないだろう。
4+2フェーズの電源回路にはIR3556 50A PowIRstageを採用。その他、APAQ製の積層コンデンサやソリッドピンなど、ハイエンドX570クラスの超高品質パーツでかためられている。
機能面では、最大1.73Gbpsの高速転送に対応したWi-Fiモジュールを搭載。オーディオはハイエンドのRealtek ALC1220を採用しており、一般ユーザーは十分満足できるだろう。M.2が表側にあり、かつ見た目が良いM.2ヒートシンクが付属している点や、映像出力端子にHDMI 2.0×2 (HDCP 2.2対応)・DisplayPort 1.2があり4K60Hzで3画面出力が可能なところも高評価だ。Ryzenで小型PCを作るならこれがベストだ。