今回は、NVIDIA Ampere GPU アーキテクチャ、NVIDIA GeForce RTX 3090搭載した「iGame GeForce RTX 3090 Advanced OC」をレビューする。ファクトリーOCが施されているモデルでベースクロック1,395MHz、ブーストクロック1,755MHz(One-Key OC時)、メモリクロック19.5Gbps、メモリ容量24GB仕様のグラフィックスカードだ。映像出力端子はDisplayport×3、HDMI×1出力を備えている。「ONE-KEY OC」はブラケットに備えられたOCスイッチで、BIOSプロファイルを読み込みグラフィックスカードのブーストクロックを引き上げ、より高クロックで動作させることができる。
リンクスインターナショナルを通して正規代理店保証を2年間受けることができる。Turingの「iGame GeForce RTX 2080ti Advanced OC」の保証期間は1年間だった為期間が長くなっている。
スペック
GPU | NVIDIA GeForce® RTX 3090 |
---|---|
CUDA Cores | 10496 |
Base Clock | 1,395 MHz |
Boost Clock | 1,695 MHz(通常時) 1,755 MHz(One-Key OC時) |
Memory Capacity | 24 GB |
Memory Clock | 19.5 Gbps |
Memory Interface | GDDR6X |
Memory Bus | 384 bit |
補助電源 | 3×PCI Express 8ピン電源コネクタ |
バス | PCI Express 4.0 x16 |
DirectX | DirectX 12 Ultimate |
OpenGL | OpenGL 4.6 |
インターフェース | 3×Display Port 1×HDMI |
占有スロット数 | 3 |
保証 | 2年 |
付属品 | 1×クイックガイド |
本体サイズ | 315mm × 131mm × 60mm |
開封
パッケージから取り出した箱を開けると、クイックガイド等の付属品の入った箱が入っている。
付属品はクイックガイド、作業用手袋、ロゴ入りのドライバーだ。
90mmハイエアフローファンを2基と80mmファン1基を搭載している。形状が最適化された13枚のブレードは前世代の11枚のブレードよりも枚数を増やしており、低ノイズでありながらより多くのエアフローを供給することが可能だ。
補助電源はPCI Express 8ピン電源コネクタ×3仕様。
バックプレートで剛性の確保や放熱の補助の役割を担っている。ただ、重量の問題は解決出来ないためVGAホルダーを使用してマザーボードやグラボへの負荷を減らした方が良いだろう。
3スロット占有の巨大な冷却機構は3090の発熱を効率よく放熱することができる。バックプレート端には「VGA HOLDER MOUNTING HOLE」が設けられており、VGAホルダーをこのスペースに使用することができる。
COLORFUL 「iGame GefoceRTX3090 Advanced OC」は前世代からアップグレードした「Silver Shark 3.0」と呼ばれる独自の冷却技術が採用されている。たわみを防止するバックプレートや電源フェーズを直接冷却するヒートシンク、カード全体を覆う放熱フィンで構成されている。GPUに直接接触するプレートは、内部に冷却液と銅粉末を充填させた真空銅製プレートで一般的な銅製プレートと比較して熱の滞留を防ぎ、GPUの熱を素早くヒートシンクへ伝導することができる。ヒートシンクは広面積フィンと、直径8mmのヒートパイプ5本で構成されたフルカバークーリングフィン搭載しグラフィックスカード全体を効果的に冷却することができる。
また、素材面ではPCB回路層に接触する全てのコンポーネントに銀メッキを採用するS.P.T-Silver Plating Technologyを採用している。
旧世代RTX2080Tiとベンチマーク比較
今回は軽くベンチマークテストの比較も行う。比較対象は玄人志向のゲーミングブランド GALAKURO GAMINGの「GG-RTX2080Ti-E11GB/TP」だ。このモデルはGALAX「GeForce RTX 2080Ti SG Edition」がベースとなったモデルだ。また、2080tiの中ではクロックはがあまり高くない点や冷却機構の差が出るのであくまでも参考値ということでご容赦頂きたい。また、メモリの周波数・タイミングは共に3600MHz CL16とする。
CPU | AMD Ryzen 9 3900X |
M/B | MSI MEG X570 ACE |
CPUクーラー | Deepcool ASSASSIN III |
メモリ | Patriot Viper Steel DDR4 PC4-33000 PVS416G413C9K x4 (32GB) |
ビデオカード | 1.GALAKURO GAMING GG-RTX2080Ti-E11GB/TP 2.iGame GeForce RTX 3090 Advanced OC |
システム用ストレージ | ADATA XPG SX8200 Pro ASX8200PNP-512GT-C |
OS | Windows 10 Pro |
電源ユニット | COOLER MASTER V1200 Platinum |
BIOS Ver | E7C35AMS.160 |
RTX2080 Ti
上側に2080TIのスコアを載せ、下側にはiGame GeForce RTX 3090 Advanced の独自OC機能「One-Key OC」のON/OFFの2種類のスコアを載せる。
3DMark
Fire Strike Ultra
3090 Normal 3090 One-Key OC
Fire Strike Extreme
3090 Normal 3090 One-Key OC
Port Royal
3090 Normal 3090 One-Key OC
Time Spy Extreme
3090 Normal 3090 One-Key OC
Time Spy
3090 Normal 3090 One-Key OC
DLSS 2.0 4K
3090 Normal
28.64FPS/71.50FPS3090 One-Key OC
29.24FPS/73.44FPS
DLSS 2.0 WQHD
3090 Normal
58.25FPS/128.81FPS3090 One-Key OC
59.45FPS/131.10FPS
DLSS 2.0 FHD
3090 Normal
92.47FPS/140.2FPS3090 One-Key OC
95.35FPS/143.84FPS
VRMark
Orange Room
3090 Normal 3090 One-Key OC
Cyan Room
3090 Normal 3090 One-Key OC
Blue Room
3090 Normal 3090 One-Key OC
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
4K
3090 Normal 3090 One-Key OC
WQHD
3090 Normal 3090 One-Key OC
FHD
3090 Normal One-Key OC
RTX3090 のOne-Key OC について
Normal One-Key OC
上記では通常BIOSと「One-Key OC」有効時の2種類の計測結果を載せた。通常時とこの「One-Key OC」に切り替えた状態でそれぞれGPU-Zで確認したところ「One-Key OC」有効時は通常のBIOSのPower Limitである370Wから400Wまでリミッターの値が変更されている。
総評
プラスポイント
- 直径8mmのヒートパイプ5本やベイパーチャンバー構造を採用した独自の冷却機構「Silver Shark 3.0」
- 13枚のブレードを持ち低ノイズでありながらより多くのエアフローを供給することが可能な90mmハイエアフローファン
- 高品質なコンポーネント
- 簡単に切り替えが可能なOCモード(One-Key OC)
- 「VGA HOLDER MOUNTING HOLE」と呼ばれるVGAホルダー専用の場所のスペースが確保されている
- 前世代に比べて大幅な性能アップ
- ディープラーニング用途・GPGPUなどの用途にも嬉しいメモリバス帯域幅936GB/sの24GB VRAM
マイナスポイント
- 実質的にTITANの立ち位置のため価格が高い
- One-Key OCの性能向上は僅か
- CPU性能が足かせになるため性能を引き出すにはそれなりのCPUスペックが要求される。
- 大型のためケースとの干渉に注意
- 8pin×3の為電源によっては注意が必要
今回は、COLORFULの「iGame GeForce RTX 3090 Advanced OC」をレビューした。COLORFULはASUS、MSI、ZOTACなど日本で人気のあるベンダーと違い知名度は高くない。しかし、COLORFULは中国市場No.1のベンダーということもあり、OCモデルである「iGame GeForce RTX 3090 Advanced OC」は非常に高いクオリティで仕上がっていた。Silver Shark 3.0」や13枚のブレードの90mmハイエアフローファンなど、冷却機構も妥協がなくオススメできる逸品だ。