提供:日本シーゲイト
2020年発売のSeagate FireCuda520は高耐久であることが売りのM.2 SSDだ。ハードディスクの老舗であるSeagateから発売されているFireCuda520はSSDとしても高い性能を誇るのだろうか、使用チップや読み書き速度や温度など様々な観点からFireCuda520を検証し総合的な性能を見ていこう。なお今回のFireCudaは「Seagate SSD もらエール・キャンペーン」に参加し、お送りいただいたものである。
スペック
インターフェース | PCIe4.0 x 4 (NVMe 1.3) |
フォームファクタ | M.2 2280 |
容量 | 500GB、1TB、2TB |
コントローラ | Phison PS5016-E16 |
NAND | Toshiba 96L TLC |
DRAM | SK Hynix製 DDR4 500GBモデル:512MB 1TBモデル:1024MB 2TBモデル:2048MB |
シーケンシャルリード | 500GBモデル:5000MB/s 1TBモデル:5000MB/s 2TBモデル:5000MB/s |
シーケンシャルライト | 500GBモデル:2500MB/s 1TBモデル:4400MB/s 2TBモデル:4400MB/s |
最大消費電力 | 500GBモデル:4.6W 1TBモデル:5.6W 2TBモデル:6.0W |
アイドル時消費電力 | 25mW |
MTBF | 180万時間 |
TBW | 500GBモデル:850TBW 1TBモデル:1800TBW 2TBモデル:3600TBW |
保証期間 | 5年間 |
MTBFは驚異の180万時間となっている。これは年換算すると200年を超える。保証書き込み容量は1TBモデルで1800TBWと他社製品で多い1TBあたり600TBWを大幅に超えている。
パッケージ・付属品
製品パッケージはオレンジを基調としたデザインにドラゴンが描かれている。背面には多言語でSSDの特徴が書かれているが日本語での記載はない。
付属品は説明書、データ救出ソフトウェア「Rescue」の説明書が付属している。Seagate製のSSDにはこのRescueが付属していることも特徴の一つだ。
製品外見・実装パーツ
それではFireCuda520本体を見ていく。
表面の製品シールは黒字にオレンジのラインが入ったデザインとなっている。PCIe Gen4 SSDと書いてあり非常に高速なM.2だということがわかる。
背面にはSSDのシリアルナンバーや容量など様々な情報が記載されている。なお表面、裏面のシールをはがすと保証は切れてしまうので注意が必要だ。
製品保証は切れてしまうが表面のシールを剥がし、実装部品を見る。一番右のチップはSSDのキャッシュ用、銀色のプレートが貼られているチップはPhison製のコントローラー、左の2枚のチップは250GB相当のNANDチップである。
裏返し背面を見ると右側からキャッシュ、NANDチップが2枚搭載されていることがわかる。
搭載しているDRAMはSK Hynix製で1枚当たり512MBなのでFireCuda520 1TBモデルは合計で1GB分のDRAMが搭載されている
採用されているNANDチップはTOSHIBA(現KIOXIA製)で高品質なものが採用されている。
動作検証
それではSeagate FireCuda520を実際にPCに組み込み、動作速度や温度などを測定していく。
検証環境
今回使用するマザーボードのASRock X570 Creatorには2つのM.2スロットが用意されている。FireCuda520の性能を十分に発揮するため、CPUに直結しているM.2スロットにFireCuda520を搭載しチップセット経由のスロットにSamsung 970 Evo Plusを搭載した。
アイドル時温度
FireCuda520のアイドル時の温度は43℃とGen4 SSDの中では低めの温度である。
SSD速度検証:CrystalDiskMark8.0.4
Seagate FireCuda520 1TBモデルの公称読み書きスピードは5000MB/s、4400MB/sなので概ね公称値通りの数値が出ている。ただし書き込みスピードに関しては今回測定した構成では約4300MB/sと公称値より100MB/s低い。Intel 第11世代CPUを使用した場合やAMD Ryzenシリーズを使用した場合でも今回の検証環境と違う構成を用意した場合はまた違った数値が出る可能性もあるだろう。
書き込み時温度検証
書き込み時の温度検証として300GBのファイルをFireCuda520に移動させた。常時3GB/sほどの速度が出ており非常に高速なSSDであることがうかがえた。また300GBほどのファイルであればキャッシュ切れを起こして速度低下が起こることもなく、安定して性能を出し続けられていた。
300GBの書き込みテスト時の温度は最大53℃まで上昇した。使用しているヒートシンクはASRock X570 Creatorのマザーボード付属のもので大きさは一般的なマザーボード付属のヒートシンクである。
ゲームプレイ時温度推移
先ほどまでの速度検証ではSamsung 970 Evo PlusにOS等必要なソフトウェアをインストールし、FireCuda520はまっさらな状態でテストを行った。次はOS・ゲームをすべてFireCuda520にインストールし、一般ユーザーが多く使用するであろう状態にてテストを行った。テスト内容はApex Legendsを2時間プレイし続けたときのSSDの温度推移である。
結果は徐々に温度は上がっていくものの最大温度は51℃と非常におとなしい。Cドライブにゲームを入れて長時間プレイしても心配する必要はないだろう。
ヒートシンクを外した状態でのSSDの最高温度
最後にFireCuda520にヒートシンクを付けずに書き込みテストを行った。結果はサーマルスロットリングこそは起こさなかったものの83℃まで温度が上昇し、長時間の負荷をかけて続けるのは危険というレベルまで発熱した。FireCuda520を使用する場合はマザーボード付属のヒートシンクを使用するかマザーボードのヒートシンクがない場合には別売りのM.2ヒートシンクを使用すると良いだろう。
総評
Seagate FireCuda520は2020年に発売されたGen4 SSDで、最新のGen4 SSDにはかなわないものの最大5000MB/s、4400MB/sの読み書き性能をほこる。特にキャッシュ性能は素晴らしく300GB書き込みテストを行っても速度低下が起こらずに性能を維持することができているのは素晴らしい。またMTBFは180万時間、書き込み許容量のTBWも1800TBW(1TBモデル)を保証するなど耐久性はTLC SSDの中ではトップクラスだ。保証制度も5年間の製品保証のほかに3年間の無償データ復旧サービス「Rescue」が付属しているので大事なデータを入れるSSDとしても安心だ。
一方で設計が古くPhison E16コントローラーを搭載しているためGen4 SSDの規格性能を発揮しきれていないことも事実だ。PCやパーツの性能を追い求める人は最新のGen4 SSDを使用した方がよいだろう。
Seagate FireCuda520は速さを求めながらも耐久性を求めるユーザーにお勧めのSSDだ。
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