筆者が使用しているPCにはメインストレージとしてSamsungの高速M.2SSDの970 Evo Plusが取り付けられている。以前からSamsung製のNVMe SSDは非常に発熱するといった印象であったが、筆者が使用している970 Evo Plusも例外ではない。そこで様々なメーカーのM.2ヒートシンクを調べていたところ、Jonsboという中国のメーカーから出されている大型M.2ヒートシンクM2-GRAYに出会った。価格も1100円程度と非常に手頃なので970 Evo Plusをきちんと冷やしきれるか検証を行った。

開封

パッケージは非常に簡易的なプラスチック製だ。パッケージ越しでも製品実物が見れるのはメリットと捉えるべきなのだろうか。裏面には簡易的な説明図が記されている。輸入販売元はCPUクーラーなどでおなじみの株式会社サイズだ。可動部分もなく相当なことをしない限り壊れたりしないため、保証は初期不良のみの対応となっている。

外観

ボディはシルバーでずっしりと重たく、1000円強ながら高級感がある。 表面はサンドブラスト加工とミラー加工されたグレー仕様、裏面は特に作りこまれた様子はなく、金属の地そのままといった感じだ。

固定方法はねじ止めとなっており、よくある安いM.2ヒートシンクのゴムバンド止めよりも強く固定できる。
熱伝導シートは2枚付属しており、M.2SSDを挟み込む形で使用する。

さて、普段筆者が使用しているM.2SSDは先述した通りSAMSUNGの970 Evo Plusだ。970 Evo PlusはGen3 NVMe M.2SSDの中では最高速を持つものの、発熱量もトップクラスだ。書き込みをいるときの温度の上昇はすさまじい。買った当初はM.2ヒートシンクを買い忘れ、そのままずるずると数か月使ってしまっていたが、CrystalDiskInfoにて温度を見たところ、「これはまずいのではないか」と思い今回の購入に至った。

取り付け

それでは実際に組み込む。今回はCPUにIntel Core i7 8700、マザーボードはMSIのH370 GAMING PLUSを使用する。

実際に組み込むと存在感は大きい。

今回使用しているH370 Gaming PlusというマザーボードM.2スロットがグラフィックスカード用のPCIe x16スロットの上に存在している。 グラフィックスカード用のPCIe x16スロットの下にM.2スロットが用意されているマザーボードやフルアーマーのマザーボード(そもそもM.2ヒートシンクを別に用意することはないと思われるが)では使用できないことがあるので注意が必要だ。

温度検証

さて、それではM.2ヒートシンクをつけた時とつけていない時での比較をする。今回はアイドル時、負荷をかけている状態での温度データを測定し、比較する。

アイドル時

CrystalDiskInfoにてヒートシンクを付けない状態でのアイドル時温度を測定すると49℃となっていた。温度注意表示にはなっていないが、アイドル時としては非常に高い温度となってしまっている。

こちらはヒートシンクを付けた状態でのアイドル時の温度だ。温度は29℃と非常に低くなった。ヒートシンクなし時と比べて20℃も温度が下がっておりさすが大型ヒートシンクといった印象だ。

高負荷時

CrystalDiskMarkを連続で実行し、温度が上がらなくなった時点での測定をした。ヒートシンクなしでベンチマークを実行すると80℃を超えたところでサーマルスロットリングを起こし速度が著しく低下した。

ヒートシンクを付けた状態でベンチマークを実行した。負荷をかけ続けても51℃と非常に温度が下がった。アイドル時で20℃の温度低下がみられたが、高負荷時では30℃の温度低下がみられた。

総評

1000円強で購入できるM.2ヒートシンクとしてはかなり優秀な製品だ。安く購入できるM.2ヒートシンクには小型なものがとても多い。最近販売されているNVMe SSDには高温になるものが非常に多いため熱が気になる人は買って後悔しないアイテムである。先述した通り大型ヒートシンクのため取り付けできないマザーボードも存在する。一部ユーザーには注意が必要だが一考してみても良いだろう。

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