製品提供:Kingston Technology
メモリの老舗メーカーとして知られているKingstonはUSBメモリなどでお世話になっている人が多いのではないだろうか。PC用のRAMやSSDも今までに多く輩出しており、Forward Insightsによると2019年のマーケットシェアは18.3%となっており世界No.1 SSDメーカーとなった。今回レビューするKingston A2000はそんなKingstonの主力SSDだ。
スペック
フォームファクタ | M.2 2280 |
インターフェース | NVMe PCIe Gen 3.0 x 4 |
容量 | 250GB,500GB,1TB |
NAND | TLC 96層 3D NAND |
コントローラー | Silicon Motion SM2263ENG |
シーケンシャルリード | 250GB-2000MB/S 500GB-2200MB/S 1TB -2200MB/S |
シーケンシャルライト | 250GB-1100MB/S 500GB-2000MB/S 1TB -2000MB/S |
4KBランダムリード | 250GB-150000IOPS 500GB-180000IOPS 1TB -250000IOPS |
4KBランダムライト | 250GB-180000IOPS 500GB-200000IOPS 1TB-220000IOPS |
消費電力 | 待機時 – 0.003W 平均 – 0.8W 読み取り – 1.7W 書き込み – 4.5W |
MTBF | 200万時間 |
総書込容量 | 250GB-150TBW 500GB-350TBW 1TB-600TBW |
暗号化方式 | XTS-AES 256 Bit |
保証期間 | 5年間 |
NANDは最近廉価帯SSDで搭載し始めたQLCではなく、TLCを使用しているため総書込容量は600TBWと高耐久だ。またハイエンドSSDと違い、コストパフォーマンスに優れるモデルなので消費電力が抑えられているというところもポイントだ。
開封
パッケージは非常に簡素なものとなっている。SSD本体がプラスチック製のケースに入れられ、紙パッケージでおおわれている。
裏面も非常に簡素なパッケージだ。
中のプラスチックのカバーから内容物を取り出すとSSD本体、そしてKingstonのクローンソフトウェアのライセンスコードが記された紙が入っている。
SSD本体前面全体に製品のシールが貼られている。KingstonA2000のコネクタはkeyMタイプとなっている。
A2000 1TBモデルのNANDチップは96層3D NANDが4枚(1枚当たり250GB)で構成されている。コネクタ付近上部にはコントローラー、下部にはキャッシュ用メモリが搭載されている。コントローラーはSilicon Motion製のSM2263ENGが使用されている。キャッシュ用のDRAMの規格はDDR4だ。
A2000は片面実装のM.2SSDなので裏側にはなにも実装されていない。PCBの色は少しくすんだ青色である。
取り付け&性能検証
それでは実際にPCに取り付けて性能を検証する。今回使用する構成は以下の通りだ。
検証時構成
Intel構成
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Intel Core i7 8700 |
CPUクーラー | Scythe APSALUS G6 |
M/B | ASUS TUF Z390-PRO GAMING |
RAM | XPG Spectrix D41 2666MHz 8x4GB |
GPU | ELSA GEFORCE GTX1070 S.A.C |
SSD 1. | Intel 760p 256GB |
SSD 2. | Kingston A2000 1TB |
HDD | W.D. Brack 1TB |
PSU | Apexgaming AG-750M 80+ GOLD |
CASE | Sharkoon PURE STEEL Black |
AMD構成
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 1500x |
CPUクーラー | Thermaltake Contac 12 Silent |
M/B | ASRock AB350M-HDV |
RAM | Corsair VENGEANCE 2666MHz 16GB |
GPU | ASRock RX570 PhantomGaming 8GB |
SSD 1. | シリコンパワー A55 256GB |
SSD 2. | Kingston A2000 1TB |
PSU | FSP RAIDER RA-500B |
CASE | Deepcool earlkase RGB |
IntelCPUは脆弱性修正パッチが配布され、SSDの読み書き速度が低下したため、正確なデータ取得のためにAMD構成でも性能検証を行う。
温度検証
アイドル時温度
アイドル時の温度は39℃と低めだ。筆者が普段使用しているSamsungの970 Evo Plusはアイドル時でもヒートシンクを使用しなければ50℃を超える。
最大温度
SSD書き込みをフルで行い、SSDに熱がたまるまで動作を続けた。結果65℃まで温度が上昇し、これ以上温度が上昇する気配はなかった。動作速度は遅くなっていなかったのでサーマルスロットリングは起きていない。この温度であればA2000には特別にヒートシンクを用意する必要はなさそうだ。
速度検証
それではA2000の速度を検証する。左がIntel環境での数値、右側がAMD環境での数値である。
50MiB
100MiB
500MiB
1GiB
2GiB
4GiB
8GiB
16GiB
32GiB
50MiBから32GiBまで読み書き速度が安定しており、どの容量でもメーカー公称値を上回っている。キャッシュが切れる様子はなく、100GBのデータを書き込んでも速度を維持することができていた(SSDの空き容量による)。やはりIntelCPUの脆弱性修正パッチの影響からからかAMD環境のほうが全体的に速い。ただし4KiB Q32T1(分散した領域へデータを4KiBごとに分割し、32個の命令を1本として処理する方法)の値のみIntel環境が30%程早く読み書きしている。
総評
Kingston A2000 1TBは2020年6月12日現在Amazonにて実売価格14020円と有名メーカーの1TB NVMe SSDとしては非常に安く手に入る。Read:2200MB/s、Write:2000MB/sと少々控えめな速度だが、ゲーム用、ソフトウェア用のSSDとして、またはデータ保管用として使用するのであれば3000MB/s以上のSSDを使用しても体感速度は変わらないだろう。Kingston A2000は価格から考えると非常にコストパフォーマンスに優れた優秀なSSDだ。
M.2SSDはSATA接続のSSDとは違いPC内のケーブルを2本減らせるということも非常に大きなポイントだ。魅せるPCを作る際にもM.2 SSDは大きな存在になるだろう。
Kingston A2000はあまりお金をかけずに大容量SSDがほしい、データ保管用に高速なSSDを使いたいと考えている人にお勧めのM.2 SSDだ。250GBモデル、500GBモデルも存在するので1TBでは使いきれないといった人はそちらをチェックしてみるのも良いだろう。