製品提供:株式会社Scythe
ATXフォームファクタを使用する場合、大きなPCケースが必要となり部屋の大きさ、机の広さによっては大きなPCは設置できないことがある。そこで選択肢としてなり得るのはMicro-ATXやMini-ITXフォームファクタだが、最近ではMicro-ATXサイズのPCケースはとても数が少なくなっている。そんな中Scytheよりフロント、サイドパネルにガラスを採用した安価ながら非常につくりの良いケース「M1」が発売されている。省スペース性を求めるMicro-ATXユーザーには無視できない存在となっている。
スペック
対応フォームファクタ | Micro-ATX / Mini-ITX |
外寸(W x H x D)mm | 210 x 395 x 410 |
5インチベイ | なし |
3.5インチベイ | 2(うち1つは2.5インチベイと排他使用) |
2.5インチベイ | 3(うち1つは3.5インチベイと排他使用) |
拡張スロット | 4 |
電源サイズ | ATX |
I/O | USB3.0×1 /USB2.0×2 / HDオーディオin/out各1個 |
搭載可能ファン | フロント → 120 mm x 2 もしくは 140 mm x 2 トップ → 120 mm x 2 もしくは 140 mm x 2 リア → 120 mm x 1 |
重量 | 5.6kg |
開封&外観レビュー
外箱前面にはイラスト、大まかな特徴が記されている。
側部は詳細なスペックが記載されており購入を検討する際には便利だろう。
箱からだし、本体をみる。側面は強化ガラスパネルを採用しており耐久性は十分だろう。またスモークガラスとなっており内部が見えすぎないのもお洒落に働くだろう。電源は搭載しているものが見えるようになっており、RGB対応の電源を搭載した場合でもきちんと光を通してくれる。
反対側はごく一般的なスチールパネルを採用している。
フロントも強化ガラスを採用している。フロントには120mmファン、または140mmファンを2つ搭載することができ、240mm/280mmの水冷ラジエターを搭載することも可能だ。Micro-ATXケースながら140mmファンを搭載できるということは大きなアドバンテージだろう。
後部は他ケースと特に変わりはない。電源は下部に搭載、拡張スロットは4スロット分、グラフィックスカードの縦置きには対応していない。リアファンは120mmのもののみ搭載可能だ。
そこ面には電源のファンが埃を吸い上げにくいようにフィルタが付いている。また、右側に見える穴だが、3.5インチベイをずらすことが可能であり、長い電源や厚みのある水冷ラジエターに対応可能だ。
各種ケースI/Oは左から電源ボタン、電源・ストレージのアクセスランプ、USB3.0、USB2.0 x 2、マイク端子、イヤホン端子となっている。
さて、パネルを外して内部を見る。あらかじめMicro-ATXマザーボードを設置するためのスペーサーは取り付けてある。上部にも120mmファン/140mmファンが2つ搭載可能だ。
内部底面は裏配線用の穴が3箇所空いている。ポイントとしてはグラフィックスカード用に1つ離れた場所に穴が開けてあり、配線をきれいにすることに貢献している。
背面からは電源、3.5インチベイにアクセスできる。裏配線スペースは十分に確保されており敗戦に苦労することはなさそうだ。
フロントのガラスパネルは上にスライドすることで取り外すことができ、エアフローを確保したい場合には外して使用することもできる。
組み立て例
Scythe M1を使用したPCの構成例を紹介する。M1はMicro ATX用ケースなのでASRock AB350M-HDVを使用する。
マザーボードにCPUを取り付けた。
I/Oパネルをケースに取り付けた。Scythe M1のケースの精度は素晴らしく、非常に簡単にI/Oパネルを取り付けることができた。
拡張スロットのカバーは切り取り式となっており、再度カバーをしたい場合はAINEXなどから発売されている拡張スロットカバーを使用する必要がある。
マザーボードを取り付けた。ねじ穴などのズレはなく加工精度は非常に良い。
電源、SSDを取り付け各種配線も接続した。
配線の綺麗さはグラフィックスカードを指す前なのでわかりやすい。初心者でも非常に組みやすく穴が開けてあり綺麗な配線が簡単に構築できる。
CPUクーラーを取り付けるためにスペーサーを取り付ける。今回使用するCPUクーラーはScytheの虎徹 Mark IIだ。非常に安価ながらCPUをよく冷やすことのできる非常に優秀なCPUクーラーだ。
ヒートシンクを取り付けた。Scytheの虎徹はCPUファンとメモリが干渉しないようにヒートシンクがケース後方にオフセットしてある。
メモリを取り付けた。今回使用したメモリはXPGのSpectrix D41 8GB x 2枚だ。RGB LEDが搭載されておりコストパフォーマンス重視のメモリとなっている。
CPUファンを取り付けた。メモリとの干渉は当然ながら起こらない。隙間も最小限で抑えてあるので見た目も非常に良い。CPUクーラーのレビュー記事はこちら
グラフィックスカードを取り付けた。使用したグラフィクスカードはASRockのRX570 8GBだ。もともとマイニング用に売られているものであり出力ポートはDVI-Dが一つのみだが性能は変わらない。
M.2スロットにはKingston A2000 1TBを搭載した。コストパフォーマンスに優れるNVMe SSDとなっており有名メーカーのM.2 SSDとしては最安クラスである。レビュー記事はこちら
さて、Scythe M1を使用したPCが完成した。今回の構成は以下の通りである。
OS | Windows10 Home |
CPU | AMD Ryzen 5 1500x |
M/B | ASRock AB350M-HDV |
CPUクーラー | Scythe 虎徹 Mark II |
RAM | XPG Spectrix D41 2666MHz 8GB x 2 |
GPU | ASRock RX570 Phantom Gaming(8GB) |
SSD 1. | Kingston A2000 1TB |
SSD 2. | Silicon Power A55 256GB |
PSU | FSP RAIDER RA-500B |
CASE | Scythe M1 |
総評
Scythe M1はフロント・サイドにガラスパネルを採用したケースながら6000円台と非常に安価に購入することができるケースだ。2面にガラスパネルを採用したケースとしては最安クラスだ。しかし安くてもケースの作りが悪かったり組みつけにくかったりすれば安い意味はない。筆者の感想としては初心者でも順序がわかれば簡単に、そして綺麗にPCを組むことが可能となるケースだ。部屋にPCを置くスペースが大きく取れないといった場合でもこのScytheのM1であれば見た目を重視しながらも省スペースなPCを組むことが可能だ。コストパフォーマンス、大きさを考えたらScythe M1は”強い”だろう。