日本時間10月29日午前1時、AMDから新型GPU、Radeon RX6000シリーズが正式発表された。NVIDIA Geforce RTX 3000シリーズに対抗するこのRadeon RX6000シリーズはどれほどの性能を持っているのか、発表の内容を解説していく。
今回発表されたモデル
今回発表されたモデルは以下のとおりである
- Radeon RX6900XT
- Radeon RX6800XT
- Radeon RX6800
スペック表
RX6900XT | RX6800XT | RX6800 | RX5700XT | |
アーキテクチャ | RDNA2 | RDNA2 | RDNA2 | RDNA |
プロセスルール | 7nm | 7nm | 7nm | 7nm |
ベースクロック | 2015MHz | 2015MHz | 1815MHz | 1605MHz |
ブーストクロック | 2250MHz | 2250MHz | 2105MHz | 1905MHz |
演算ユニット数 | 80 | 72 | 60 | 40 |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリ容量 | 16GB | 16GB | 16GB | 8GB |
TDP | 300W | 300W | 250W | 225W |
価格 | $999 | $649 | $579 |
今回のRDNA2もプロセスルールは7nm、メモリ規格はGDDR6である。また全モデルサイズは2.5スロットでRTX3000シリーズと比べて少し小さめである。また今回のRDNA2からキャッシュ(128MB)が追加されており動作が高速化した。アンチラグ等も改善されているのでゲームシーンも5000シリーズから改善が見込める。
Radeon RX6900XT
RDNA2の最上位モデルとしてRadeon RX6900XTが登場した。演算ユニット数は80とRadeon RX5700XTの倍である。キャッシュは128MB。サイズは2.5スロットと意外にも小さい。補助電源は2×8 pin。
GCNからRDNAへ50%の性能向上、Radeon RX6900XTに至ってはRDNA2になったことでさらに65%の性能向上が実現した。
999ドルとGeForce RTX3080と同価格ながらGeForce RTX3090とほぼ同性能を叩き出す。価格は649ドルと非常に安価。
Radeon RX6800XT
GCN世代に比べRDNAは50%の性能向上、RDNA2はさらに50%の性能向上を認めGCN世代に比べ理論上では2.25倍の性能向上となっている
前作RDNAでは最上位モデルはRX5700XTと700番が一番上のグレードであった。今回のRDNA2では800番台が登場した。プロセスルールはNVIDIAのGeforce RTX3000シリーズよりも微細な7nmを使用している。ベースクロックはRX5700XTよりも400MHzほど高い数値を出しており性能の高さが期待できる。VRAM容量は16GBとRTX3080の10GBよりも多い。しかしメモリ規格はRTX3070と同等のGDDR6となっている。
4Kゲームでも非常に優秀なフレームレートを叩き出している。
RX6800XTは1440pで多くのゲームにてGeeForce RTX3080を上回っている。TDPは300WとRX5700XTよりも高いがRTX3080の320Wを若干下回る数値となっている。
Radeon RX6800
Radeon RX6800XTから演算ユニット数、動作クロックを落としたRadeon RX6800も発表された。演算ユニット数は60、クロック速度は1815MHzから最大2105MHzとなっている。
GeForce RTX2080Tiと比較するとRadeon RX6800は4K60Pで多くの部分が優っている。値段は579ドルと非常に安価である。
総評
今回のRadeon RX6000シリーズの発表は良い意味で予想を裏切ってきた。5000シリーズではミドル~ミドルハイのGPUを出していたAMDだが今回の6000シリーズではGeForce RTX3090に迫るRadeon RX6900XTをほぼ半額で発表した。これにより絶対性能を求めるのであればNVIDIAとは安易に言えなくなった。NVIDIAとAMDのGPU戦争がはじまりそうな今回の発表は大いにPC業界を盛り上げてくれるのではないだろうか。
なおAMDのオンライン発表イベントは以下から見ることが可能。