2020年2月28日、ASUS JAPANより新製品「ROG Eye」が発売された。ROG EyeはASUS初のWebカメラでROGブランドを冠している。ASUSのゲーミングブランドであるROGのWebカメラの性能は果たしてどうなのか、レビューしていく。

スペック

解像度1080p @60FPS
フォーカスタイプオート
マイクタイプデュアル
コネクタータイプUSB2.0
ケーブル長1m
サイズ W8.1 x D2.88 x H1.66 (cm)

開封&外観レビュー

それでは外箱から見ていく。

箱は黒を基調としたROGらしいデザインで中央にROG Eyeが描かれている。

裏面には英語だが、ROG Eyeについての説明が記載されている。この面を見るだけで大まかなスペックがわかる。

両サイドはROG EYEと記載されているだけで左右の面で違いはない。

開封しすると製品がパーツごとに入っている。上からWebカメラ本体、左はUSBケーブル、右はスタンドとなっている。

カメラ本体の形状は直方体で非常にコンパクトにまとめられている。
中央にカメラレンズが位置しており、レンズの左右にマイクが配置されている。
前面全体にガラスパネルがはめ込まれているデザインとなっており、このガラスパネルは青く反射している。これはブルーガラスを搭載しており、赤外線をフィルタリングしてカラーシフトを減らす効果がある。これにより映像に悪影響を与える赤い光がなくなり、高画質の映像を録ることが可能となる。

裏面は接続用ポートとしてMicroUSBが用意されている。ボディ背面は金属製ではないもののROGおなじみのヘアライン加工が施されており、高級感もばっちりである。右下に見えるROGのロゴは光るわけではない。

カメラ本体は背面が写真のように展開し、モニターを挟む形で固定することができる。

付属のスタンドにも全面にROGのロゴが入っている。こちらはカメラ本体とちがいヘアライン加工はされていない。

このスタンドは非常に小さいながら約55gと重たいため、スタンドに装着したwebカメラの重心が低くなりよく安定する。

ROG Eye本体をこのスタンドに建てる場合は斜めに装着され、机においていても自分の顔をきちんと捉えることができるように作られている。

スタンドの底面は4箇所にゴム足がついており、本体の重さもあって滑らずに使用することができる。また、中央にはカメラ三脚用の取り付け穴が設けられているので小さな三脚に取り付けて使用することも可能だ。

付属のUSBケーブルはごく一般的なUSB2.0のMicroUSBケーブルだ。長さは1mなのでPCを床においている人は別途長いケーブルを用意するか延長ケーブルが必要だ。

その他付属品は説明書と不織布の袋が入っている。

使用レビュー

それでは一通り開封したので使用感をレビューしていく。

ROG Eye本体は裏面が展開し、モニターに挟めるようにできている。

画面が非常に薄いノートパソコンにも難なく挟むことができる。

Webカメラの裏側にはゴム製のすべり止めがついているため、写真では不安定そうに取り付けられているが、意外にも安定している。

スタンドにROG Eyeをとりつけると机においても十分に安定するようになる。

もちろんROG Eyeの足で立たせることも可能なので好みに合わせて使用することができる。

スタンドの応用的使用方法

ROG Eyeは本体側の足とスタンドの組み合わせを少し応用するだけで様々な角度に調整することができる。スタンドには三脚を付けることも可能だが、PCの上に置いて手元を映したいといった場合にはカメラを下に向けて置くことも可能だ。

ごく一般的な使い方のスタンドの使い方。机上に置いて顔を映す場合に使用すると良い。

カメラを下向きにして使用することももちろん可能だ。高いところに置き手元を映すことで手元配信をすることも容易だ。

スタンドを反転させてさらに角度をつけることもできる。これによって高い場所にカメラを設置して手元のみを撮影することも可能だ。

他カメラとの比較

同価格帯で他メーカーもWebカメラを多く販売している。その中で使用している人が多いであろうモデル数台でスペック比較を行った。

スペックの比較を行うとROG Eyeのカメラ性能の良さが理解できる。他メーカー製のWebカメラは1080pでの撮影時は30FPSまでしか出力することはできないが、ROG Eyeは1080pで60FPS出力を行うことが可能だ。また、画素数ではROG Eyeが5メガピクセルと一番多い。

しかしROG Eyeは視野角がこの中では一番狭く、実測値で60°となっていた。Razer KiyoやLogicool C922nは非常に広い範囲を映すことができるので大きなアドバンテージとなっている。

実際の使用感

さて実際に使用すると良い点、悪い点がはっきりとした。このWebカメラの良い点は先述した通り1080p 60FPSでの撮影ができるといった点が一番だ。非常にきれいに撮影することができるので小さな窓での顔出し配信や手元配信であれば一眼レフカメラに引けを取らない。しかし配信画面の1/4を超えてくると映像の高感度ノイズが目立ってくるようになってしまうため、OBSなどの配信ソフトウェア側でフィルターをかける必要が出てきてしまう。そのためWindows10付属のカメラで撮影すると色が濃いところにはノイズが発生してしまっている。

オートフォーカスは特に音は気にならず、快適に使用することができる。マイクがカメラの左右に配置されているのでオートフォーカス時のモーター音が入ってしまうWebカメラも存在するのだが、ROG Eyeではマイクにビームフォーミングテクノロジーを搭載しているため、オートフォーカスのモーター音のほか様々な雑音も除去される。さすがにコンデンサーマイクの性能には劣るが、ビデオ通話などでは十分な性能を発揮することができた。

さて、それでは実際の配信環境を使用してROG Eyeを使用する。
筆者はPCの上にROG Eyeを設置し、スタンドを前後逆に使用して手元配信を行ってみた。OBSの画面を用いて確認した。

Streamlabs OBSの出力画面の右下にWebカメラの映像を配置した。大きさは小さめにしてあるが、筆者が配信をするのであればこの大きさで配信する。この大きさであればノイズ等は一切気にならない。

配信画面全体にWebカメラの映像を配置した。この大きさになると配信上では若干のノイズが現れてしまう。1080pとはいえROG EyeもWebカメラの部類に入るので若干のノイズは仕方ないだろう。最高画質を求めるのであればキャプチャーボードと一眼レフカメラを使用することが望ましいだろう。

総評

1万円前後で購入することのできるROG EyeはWebカメラ界では非常に強い存在になるだろう。画角が狭いなどの欠点はあるがカメラ自体の性能は非常に良い。今回比較対象に挙げた3つのWebカメラももちろん性能は良い。「ゲーム配信を考えているが一眼レフカメラを使用するのは敷居が高い」と思っている人には現状で一番お勧めできる製品だ。