今回はGIGABYTEから発売された、他社のRTX 3070とはコンセプトが異なるクリエイター向けを謳ったRTX 3070 VISION OC 8Gをレビュー&筆者が今まで使用してきたGTX1070とのベンチマーク比較をざっくりと行う。

GIGABYTE VISIONシリーズについて

 まずVISIONシリーズというのは今作のRTX30シリーズから始まるRTX VISIONシリーズとB550チップセットを搭載したAMD向けマザーボードの B550 VISION DやIntel用マザーボード Z490 VISION D&G,W480 VISION D&Wから成るクリエイター向けをコンセプトに作られた新しいシリーズである。
クリエイター向けとあるがゲーム用途目的で購入しても何も問題はない。
因みに、今回紹介するのはRTX3070 OC版だが現在(2020/12/29時点)RTX 3080,90のOC版も発売されている。

 3070以外は形状が少し異なるようだ(画像は3080 VISON OC 10G)

本体

 厚みは2.7スロット占有で補助電源は8+6ピン構成、3連ファンタイプで真ん中のみファンの向きが違うが、公式曰く隣接するファンの乱流を減らし、空気圧を上げる為だそうだ。
他社製の3連ファンタイプもこのシステムを採用しているものが多い。

 バックプレートは金属製でRTX30世代のグラボならお馴染みの排熱用スリットが設けられている。
出力ポートはDPとHDMIが各2ポートの計4ポート構成。
他社製はDPが3ポート、HDMIが1ポートの場合が多いが、これは各種2ポートずつあってバランスが良い。

 LEDはGIGABYTEのロゴが光るだけで所謂ゲーミングモデルのような派手な光り方はしない。

 ちなみにRGBで制御が可能で設定にはGIGABYTE RGB Fusion 2.0と呼ばれる専用ソフトを必要とする。
初期設定では単色でやや青白く光る。

スペック

GPUNVIDIA GeForce® RTX 3070
CUDA Cores5‎,888
Base Clock1,500 MHz
Boost Clock1,815 MHz
Memory Capacity8 GB
Memory Clock14 Gbps
Memory InterfaceGDDR6
Memory Bus256 bit
TGP220W(リファレンス)
補助電源PCI Express 8+6ピン電源コネクタ
バスPCI Express 4.0 x16
DirectXDirectX 12 Ultimate
OpenGLOpenGL 4.6
インターフェース2×Display Port
2×HDMI
占有スロット数2.7
保証2年
付属品1×クイックガイド
本体サイズ286mm × 115mm × 51mm

ベンチマーク(おまけ)

CPUAMD RYZEN 5 3600
マザーボードASRock B450M SteelLegend 
メモリCrucial 16GB×2 2400MHz
GPUGTX 1070(リファレンス) or RTX 3070 ファクトリーOC
ストレージWD Blue SN500 250GB + Samsung 860 EVO 500GB
CPUクーラー虎徹MarkⅡ
電源NZXT E650 650W
ケースNZXT H400i
OSWindows10 pro 64bit 1909
GPUドライバーGeForce Game Ready Driver 457.30

 メモリクロックやCPUのシングルコア性能、PCIE3.0環境での計測等、GPU以外のボトルネックを完全に発生させないという構成では無い為、多少ベンチ結果の正確性に欠ける点があることを最初に断っておきたい。
ボトルネックがなるべく出ないようにしたい方は最新のRYZEN5000シリーズやDDR4メモリのより高クロックなモデルを使用することを推奨する。
GIGABYTEは公式サイトでStudio Driverを推しているが今回筆者はGame Ready Driverを使う。

 2世代も離れたGTX 1070と比べるとプロセスサイズは1/2に、CUDAコア数は約3倍になり一説によるとパフォーマンスの差は約2倍になると言われているが果たして…

FF14漆黒のヴィランズベンチマーク

 FHD環境の為かあまりスコアに差が出ず、3070のGPU使用率が50%近くまで下がる箇所がちらほらありGPUが力を出し切っていない感が否めなかった。
ただFF14はCPUの性能に依存しやすいのでシングル性能の高いIntelCPUやRYZEN5000シリーズに変えると更にスコアは伸びると思われる。

FF15ベンチマーク 高品質

 全体的に約1.7倍~2倍にまでスコアが伸び、1440pの環境までは60fpsを安定して出せるようになった。
先ほどのGTX 1070とのパフォーマンスの差は約2倍というのはあながち間違いではなかったようだ。
4kの60fpsを維持するのは少し厳しい結果となったがRTXシリーズのGPUのみが使える機能、DLSSを有効にしたところGTX 1070のFHD設定よりも高いスコアが出る結果となりFPSも60以上を安定して出していた。
しかし、RTX 3070というグレードはFHDやWQHDで安定したフレームレートを出したいユーザーをターゲットにしている為、4k画質を主に使用する方は上位グレードのRTX 3080等を購入することをお勧めする。

Battlefield V

 レイトレーシング機能を有効にできるこのゲームでは、RTコアが使えるRTXシリーズは流石という感じのスコアの差が見られた。

 計測はシングルモードの大戦の書「祖国の為に」という物語のイントロ部分で行った。
打ち合いが始まるとfpsが少し落ち込むがそれ以外のシーンだと概ね144fps維持できることを確認した。
DXR(レイトレーシング機能)を有効にするとGTX1070では平均31fpsだったのがRTX 3070で92fpsと約3倍の向上が見られた。

APEX Legends

 日本で大人気なバトロワ系FPSゲームのAPEXも計測してみた。
計測はシーズン7から追加された新MAPのOlympusで10分間MAPを移動した状態の平均FPSを調べてみた。

 Olympusは他のMAPに比べ見通しが良く描写するものが多い為、噂によると現状で一番負荷の高い、重いMAPだと言われている。
1070だと最低設定でも144fpsを保つことが出来なかったが3070は最高設定にしても余裕で144fpsを維持してくれたのでFHDのみならずWQHD環境でも通用しそうな感じだった。
流石、前世代最上位グレード並みの性能を持つ3070だ。
今回筆者がGTX 1070からRTX 3070に換装するに至ったのは、このゲームを快適にプレイできるようにすることを理由の1つにしていた為、この結果に筆者は非常に満足している。
Pascalや、それ以前の世代からの乗り換えには丁度いい時期なのではないだろうか。

本体温度

 ファンの回転数はセミファンレスモード(初期設定)でゲーム中はAPEXで約60℃前後、DXRを有効にしたBFVで約62℃なのでこのグラボなら温度を気にする必要はないだろう。

消費電力

 筆者の使用している電源、NZXT Eシリーズはモニタリング機能が搭載されており専用ソフトNZXT CAMから電源ファンの回転数調整や温度、消費電力をモニタリングすることが出来る。
今回のマシンでAPEXをプレイすると全体で200W前後消費するようだ。

まとめ

 他社のRTX 3070に比べ価格が少し高いことがネックだが見た目や性能は一級品なので筆者と同じようにPascalシリーズ、それ以前の世代のグラボをお使いの方にはRTX30シリーズ買い時だと思っている。
GIGABYTEのVISIONシリーズをはじめZOTACやASUS等も白いグラボを発売し、白物好きな筆者としては選択肢が増えとてもうれしく思っており、これからも黒だけでなく白い製品を出し続けてほしいところだ。

GIGABYTE公式サイト

RTX 3070 VISION OC公式ページ

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