5月27日、Computex 2019にてAMD 第三世代Ryzenプロセッサが発表された。今回は速報として、そのスペックや価格について簡単にまとめた。
IPCは前世代から15%向上
12コアの新シリーズ「Ryzen 9」が登場
AMDは世界初のデスクトップ向け7nmプロセス「Zen2」コアを採用した第三世代Ryzenにおいて新シリーズ「Ryzen 9」を発表した。
ラインナップはRyzen 9 3900Xのみで、12コア24スレッド・定格3.8GHz、最大4.6GHzで動作する。12コア24スレッドのメインストリームプロセッサはRyzen 9 3900Xが世界初だ。また、コア数もクロックも増加しているのにもかかわらずTDPはRyzen 7 2700Xから据え置きの105Wだ。
Ryzen 7は従来通り8コア16スレッドのプロセッサとなる。ラインナップはRyzen 7 3800XとRyzen 7 3700Xだ。
上位モデルであるRyzen 7 3800Xは定格3.9GHz、最大4.5GHzでTDPは105W。最大クロックこそRyzen 9に劣るが、定格はラインナップ中で最も高い。
そして下位モデルであるRyzen 7 3700Xだが、こちらは定格3.6GHz、最大4.4GHzで動作する。クロックは少し控えめとなったが、驚きなのはそのTDPだ。なんと65Wにおさえられている。そしてCINEBENCH R20のデモではIntel Core i7 9700Kを超えるパフォーマンスを発揮していた。
競合よりも圧倒的低価格
また、同時に各プロセッサの価格も発表された。
最上位のRyzen 9 3900Xは499米ドル。AMDのCEOであるLisa Su氏は「競合(Intel Core i9 9920X)の半額だ」と強調していた。
Ryzen 7 3800Xは399米ドル。Ryzen 7 3700Xは329米ドルだ。
プロセッサ | コア/スレッド | 定格/ブースト | TDP | L3キャッシュ | 価格 | 付属クーラー |
Ryzen 9 3900X | 12 / 24 | 3.8 / 4.6 | 105W | 64MB | $499 | Wraith Prism |
Ryzen 7 3800X | 8 / 16 | 3.9 / 4.5 | 105W | 32MB | $399 | Wraith Prism |
Ryzen 7 3700X | 8 / 16 | 3.6 / 4.4 | 65W | 32MB | $329 | Wraith Prism |
Ryzen 5 3600X | 6 / 12 | 3.8 / 4.4 | 95W | 32MB | $249 | Wraith Spire |
Ryzen 5 3600 | 6 / 12 | 3.6 / 4.2 | 65W | 32MB | $199 | Wraith Stealth |
第一世代Ryzenとの比較スライド
基調講演の最後には、第一世代「Ryzen 7 1800X」と今回発表された「Ryzen 9 3900X」の比較スライドが登場した。シングルスレッド性能は32%、マルチスレッド性能はなんと2倍になっているという。
また、Ryzen初登場から2年以上経っていることもあり、ソフト側の最適化も進んできている。それも加味すると、実際にアプリケーションを動かしたときのパフォーマンスは2倍どころではないだろう。
登場は7月7日。期待して待っていよう
今回発表された「7」nmプロセスの第三世代は「7」月「7」日に発売される。7nmで7月7日。全て「7」だ。
世界初の7nmプロセスで製造されるデスクトップ向けプロセッサの発売はもうすぐだ。期待して待っていよう。