最近では一人でゲームをするより、FPSなどで友人とゲームをすることも多くなってきている人も多いだろう。またゲーム実況などの配信活動の敷居も昔と比べると格段に下がり、ゲーム実況者に代表される配信者も急増している。しかしゲームをしたり配信をしたりする環境としてはまだまだ整っていないという人は少なくないだろう。特に都市部や駅の近くに住んでいると周りの環境音が入り込んだり近隣住民の生活音がマイクに入ってしまうという悩みを抱えた人も多い。そんな中NVIDIAはNVIDIA Broadcastというソフトウェアをリリースし、NVIDIAのGPUのうち、RTXシリーズ以上であれば周りのノイズを抑えたりWebカメラに映りこむ背景をぼかすことができるようになった。

システム要件

GPUNVIDIA GeForce RTX2060以上
Quadro RTX 3000以上
TITAN RTX以上
RAM8GB以上
CPUIntel Core i5 8600以上
AMD Ryzen 5 2600以上
ドライバーGame Ready Driver 465.89以上
NVIDIA Studio Driver 462.46以上 

使い方

マイクノイズ除去

 インストールが完了し、NVIDIA Broadcastを起動するとマイクのノイズ軽減タブが開いた状態となる。マイクソースがデフォルトになっているので普段使用しているデバイスを選択しノイズ軽減などのエフェクトを設定する。エフェクトは標準でノイズ除去がセットされているがノイズ除去以外にもルームエコー除去ができるので部屋の反響が気になる人はそちらも試してみると良いだろう。
また写真右側にあるように自分のマイクを通してサンプル音声を録音し、NVIDIA Broadcastのノイズ除去がどれくらい効果を発揮しているのかを見ることができるのも面白いだろう。

スピーカーノイズ除去

 次にスピーカーやヘッドホンから流れる音声にかかってしまっているノイズを除去することができる機能を試す。こちらもマイクノイズ除去と同じで普段使用しているオーディオ出力機器を選択し、エフェクトを有効にする。オーディオ出力ではあまりノイズ除去を使うイメージがないかもしれないが、劣悪な環境で録音された音声や動画もNVIDIA Broadcastのノイズ除去によってよりクリアに聞こえるようになるだろう。
スピーカーノイズ除去にはサンプル音源が付属しており、Air conditioning.wav(エアコンの音がノイズとして含まれている音声)やTyping.wav(タイピング音がノイズとして含まれている音声)をノイズキャンセリングオン・オフで聞き比べることができる。
 ちなみにスピーカーノイズ除去機能にもルームエコー除去を追加することができるが、ルームエコー除去は使う場面が限られるだろう。

カメラエフェクト機能

 NVIDIA BroadcastのベータソフトウェアであったRTX Voiceでは音声ノイズの削除のみ可能だったが、NVIDIA Broadcastは音声のみならずカメラのノイズ除去や背景透過・変更も簡単にできるようになっている。今回筆者はASUSのWebカメラであるROG Eyeを取り付けてカメラをテストした。カメラが向いている向きの都合上、写真に写せないものが多いので画像での解説は省くが、エフェクトのビデオノイズ除去はかなりの効果を発揮する。また背景透過や背景交換などはグラフィックスカードの性能によってパフォーマンス重視かクオリティ重視か選択することができるので負荷によって切り替えると良いだろう。こちらのカメラエフェクト機能に関してもエフェクトを重ねて欠けることができるのでOBSにワイプとしてWebカメラを使用する際もノイズ除去をした上で背景透過を行うなど今までは複雑な設定が必要だった映像もNVIDIA Broadcastを使用すれば簡単に作ることができる。

まとめ

 NVIDIAのGeForce RTX2060以上のグラフィックスカードを持っている人で仲間とゲームを楽しみたいけどマイクに雑音が入ってしまうという人には一番にお勧めするノイズ除去ソフトウェアがこのNVIDIA Broadcastだ。名前こそは配信者向けに聞こえるが配信をしない人でも便利に感じる人は多いだろう。カメラのノイズ除去や背景交換などは配信以外にもテレワークでオンライン会議をする際にも余計なものを映さないようにするといった使い方もできるので活用の幅は非常に広い。設定も簡単ですぐに使えるソフトウェアなのでGeForce RTXユーザーはインストールしておくと良いだろう。

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